ツールとフレームワークの使い勝手の良さに好印象
講習会が終了した後、参加者たちからはさまざまな感想の声が寄せられた。特に、普段Androidアプリの開発で使っている開発環境と比較した場合の、Flash Builderの使い勝手の良さには、多くの参加者が強い印象を持ったようで、「アシスト機能が充実していて、とても便利だった」「エミュレータが立ち上がるのが非常に速いので、デザインを確認しながらコードを開発しやすい」といったさまざまな感想が寄せられた。
また、UIの設計をWYSIWYGの手法で簡単にできることには、多くの参加者がメリットを感じたようだ。あんざいさんは、次のように述べる。
「普段使ってる開発ツールは、UIの設計機能があまり賢くないので、直接XMLにUIのコードを記述していました。でも、Flash BuilderはマイクロソフトのVisual Studioに近い使い勝手でUIを簡単に設計できるので、とても便利だと思いました」
さらに、画面遷移の制御機能と、簡単に外部システムとデータ連携できる機能に関しては、どの参加者も強い関心を示していた。普段はWebディレクターの仕事に就いており、自らコーディングを行う機会はめったにないという堤さんも、次のようにコメントする。
「通常の開発環境だと、たくさんの画面を作ったり、外部システムのAPIを呼び出したりするには、コードのことが分かっていないと『厳しいな』と感じることが多いのですが、Flash Builderの環境ならたとえコードが分からなくても、かなりの部分を実現できると感じました」
普段からコーディングをバリバリこなしている参加者からも、「XMLのパーサーを直接操作することなく、こんなに簡単にXMLを扱えるとは驚きだった」といった感想が聞かれた。
ただし、多くの機能が盛り込まれている分、そのメリットを引き出すには慣れや学習が要りそうだという感想もあった。Javaエンジニアの西岡さんは、次のように述べる。
「Flash BuilderとFlexフレームワークではいろんなことが簡単にできる分、使いこなすためには多くのことを勉強しないといけないなと感じました。使い勝手はとてもいいので、後は詳しい情報を簡単に探すための方法が分かれば、もっと深いこともできるような気がします」
参加者たちからは、「サンプルソースやテストコードは用意されてないのか?」「APIの一覧はどこで見ることができるのか?」といった質問が矢継ぎ早に轟氏に投げられた。同氏は、アドビシステムズがネット上で公開している豊富なドキュメントやサンプルコード、さらにはJavadocに似たインタフェースでAPIの仕様を参照できるサイトなどを紹介した。
普段から主にJava環境でAndroidアプリ開発に親しんでいるAndroid女子部の方々にも、アドビの開発環境は極めて興味深いものだったようだ。講習会が終わった後も、轟氏を交えたアプリ開発談義は深夜にまで及んだ。
参考リンク
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Flexで作るAndroidアプリ開発チュートリアル
講師を務めた轟氏によるチュートリアル記事。初心者向けに書かれているので、初めてFlash Builderを触る人にもお勧め。 -
Adobe AIR LaunchPad
AIRアプリケーション開発支援ツール。Wizard形式でアプリ雛形を自動生成できる。 -
Tour de Mobile Flex
スマートフォン向けのFlex/AIRサンプル集をソースコード付きで見れる無償Androidアプリ。 -
Adobe AIR Profiles
AIR APIの端末別対応表。