今後の主流は「タブレットデバイス」
~「Creative Apps」
3つ目の柱として説明したのが、タブレットPC向けのアプリ群「Adobe Touch Apps」だ。Lynch氏はコンピューターの入力デバイスの歴史を振り返り、「パンチカード、キーボードに続き、マウスが現れたことはクリエイティブデザインにとって大きな革命だった。次の時代はタッチ。マウスよりさらに抽象度を前進させたデバイスは、人間とコンピューターとのインタラクションにおいて大きな飛躍となる」と、Adobe Touch Appsにかける期待の高さを示した。
続いて順を追って、ベクター形式でスケッチが行える「Adobe Ideas」、さまざまなデバイスから自分の写真にアクセスできる「Adobe Carousel」(カルーセル)、配色を生成・共有できる「Adobe Kuler」(カラー)、写真・図・テキストを自由に配置してアイデアをすばやく可視化できる「Adobe Collage」(コラージュ)、さなざまな場所でプレゼンを行いフィードバックもつけられる「Adobe Debut」(デビュー)、と各アプリを紹介していった。
中でもウェブ制作者の視点で興味深かったのは「Adobe Proto」(プロト)と呼ばれるツールだ。インタラクティブなウェブページのワイヤフレームを作れるタブレットアプリで、ガイドに合わせてオブジェクトを配置したり、ワイヤフレーム間にリンク設定したりすることができる。ジェスチャでオブジェクト配置のショートカットが使える点も特に目を引いた。プレビューモードではHTMLにレンダリングされた状態をその場で確認できる。作成したファイルはHTML、CSS、JavaScriptをzip圧縮してクラウドにアップロードできるため、ダウンロードしてDreamweaverで編集するなど、シームレスに既存の制作過程と連携できるようになっている。
右上にあるのはプレビューなど各種機能を呼び出すメニュー。
バツを書くと画像、4本指で縦線を引くとナビゲーションバーといったように、
ジェスチャでオブジェクトを描けるショートカットも印象的。
最後のアプリとして、タブレットPC向けの画像編集ソフト「Photoshop Touch」が紹介された。画像補正やクリッピングといった従来のコア機能のほか、カメラと組み合わせてリアルタイムに画像合成したり、疑似3D表示したりできるようすが示された。また、Samsungと協力し、液晶タブレットのような、圧力感知つきのスタイラスで描画できるプロトタイプデバイスの開発が進められていることも紹介された。
今後はすべての制作ツールが「Adobe Creative Cloud」に統合されていく
Adobe Creative Cloudは、今後近いうちにAdobe Touch Appsだけでなく、既存のクリエイティブアプリケーションとの連携も発表されており、2012年早期までに、PhotoshopやInDesignをはじめとするデスクトップツール、Adobe EdgeやMuseなどの最新ツールも構成に含まれる予定になっている。料金設定は未定で、11月の早い段階で発表するとしている。なお、今回のイベント参加者には一年間無料でAdobe Creative Cloudを利用できるようにすることも告知された。
最後にLynch氏は、「まったく新しい冒険ということで、いろいろなイノベーションがもりだくさん。これから先どんどん新しいものがでてくると思うので、みなさんぜひご利用ください。みなさんにとっても、Adobeにとっても変貌を遂げる時代です」と述べ、2日の基調講演では、アプリ開発、Web開発、HTML5、Flashなどの話題に触れることを伝えて、講演を締めくくった。
