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「Adobe MAX 2011」イベントレポート

【Adobe MAX 2011】基調講演2日目
「Flash」「HTML5」で最高のユーザー体験を追及し続ける


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 米カリフォルニア州ロサンゼルスで開催中のユーザーカンファレンス「Adobe MAX 2011」。2日目の基調講演では、Adobe Systems社 副社長兼プラットフォーム・ジェネラルマネージャーのDanny Winokur氏が登壇し、新しいユーザー体験を実現するための開発技術に関する講演が行われた。

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Adobe Systems社 副社長 兼
プラットフォーム・ジェネラルマネージャー Danny Winokur氏
Adobe Systems社 副社長 兼 プラットフォーム・ジェネラルマネージャー Danny Winokur氏

リッチなUXの実現に大切なのは「技術を自由に選べる」こと

 コンテンツ提供の潮流は、スタティックなものを一方的に送りつける形式から、インタラクティブな(双方向性のある)ものを前提とするようになってきており、開発者の重要性はさらに増している。そしてアプリケーションも、ブラウザ上、特にモバイルデバイス向けに提供されることが多くなってきた。これらを踏まえ、現在ウェブでこのようなニーズを満たすために広く使われている技術「HTML5」と「Flash」に、話の焦点を絞ると前置きした。

 「会社設立以来、最もリッチなユーザー体験を追及してきており、その実現のための技術は開発者が自由に選択できる必要があると考えてきた」と、Adobeのスタンスを説明するWinokur氏。現在のミッションには、広範なプラットフォームやデバイスにアプリを配信することを据えており、その意味でFlashを使うことは非常にエキサイティングであるし、同様にHTMLの将来を推し進めることも重要だという考えを示した。

「Flash」も「HTML5」もAdobeにとって戦略的に重要な技術
「Flash」も「HTML5」もAdobeにとって戦略的に重要な技術

HTML5は、いずれユビキタスなものに

 Adobeは、一貫した開発スタイルで、さまざまな環境向けのアプリにおいて、同様にリッチなユーザー体験を提供できる環境の整備を、Flash技術を中心に進めている。一方、HTML5でも、既にリッチなユーザー体験が実現できつつあり、参画しているAdobeを含めた広範なコミュニティに対して大きな利益を与えている。Adobeでは、進化を続けるHTML5は、いずれどこにでもあるユビキタスなものになると予想しており、今後も貢献・投資を続けていくと方針を示した。

 取り組んでいるHTML5関連の技術としてまず紹介されたのは、3日に買収が発表されたNitobi Software社の「PhoneGap」。モバイルアプリ開発フレームワークの1つで、HTML・CSS・JavaScriptという標準的なWeb制作の技術で、さまざまなモバイルデバイス向けアプリの開発を可能にする。PhoneGap創設者の1人、Andre Charland氏は「オープンソースのPhoneGapは、無料でこれからもオープン。PhoneGap 1.1のリリース以後、Apacheソフトウェア財団への移行を考えていたが、Adobeが色々とコーチしてくれ、買収後もPhoneGapのソースコードはApacheソフトウェア財団に寄贈されることになった。非常に素晴らしいと感じている」と述べた。

Andre Charland氏(左)と、
Adobe Systems社エバンジェリズム担当ディレクターのBen Forta氏(右)
Andre Charland氏(左)と、Adobe Systems社エバンジェリズム担当ディレクターのBen Forta氏(右)

 PhoneGapを利用したものとして、Travelocityのアプリ(旅行者向け)、Orbium(パズルゲーム)、xero.comの会計ソフトアプリ、Untaped(ビール好きのためのアプリ)と、多彩な事例が紹介された。

 また、モバイルデバイスごとに開発環境を構築する手間を省く手段として用意されている、有料のクラウドサービス「PhoneGap Build」も紹介された(こちらは提供元がAdobeになる)。あらかじめGitレポジトリに登録しておいたソースコードを同サービスが取り込み、各デバイス向けアプリを生成してバイナリで配信するという仕組みだ。昨日発表された新サービス「Adobe Creative Cloud」に、PhoneGap Buildのサービスも含まれることが併せて発表された。

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Flashでしかできない、表現力の限界を超えたもの

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この記事の著者

斉木 崇(編集部)(サイキ タカシ)

株式会社翔泳社 ProductZine編集長。1978年生まれ。早稲田大学大学院理工学研究科(建築学専門分野)を卒業後、IT入門書系の出版社を経て、2005年に翔泳社へ入社。ソフトウェア開発専門のオンラインメディア「CodeZine(コードジン)」の企画・運営を2005年6月の正式オープン以来担当し、2011年4月から2020年5月までCodeZine編集長を務めた。教育関係メディアの「EdTechZine(エドテックジン)」...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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