Xcodeでプロジェクトを作成する
PhoneGapをインストールすると、XcodeにPhoneGapプロジェクトテンプレートが追加され、PhoneGapアプリケーションを効率的に作成できます。
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プロジェクトを作成するには、Xcodeのスタートアップ画面(図2を参照)で、「Create A New Xcode Project(新規Xcodeプロジェクトの作成)」をクリックします。または、File(ファイル)/New(新規)/New Project(新規プロジェクト)を選択して新しいPhoneGapプロジェクトを作成することもできます。
図2:Xcodeのスタートアップ画面
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新しいXcodeプロジェクトを作成する最初の手順は、プロジェクトテンプレートを選択することです。iOS/Application(アプリケーション)で、「Cordova-based Application(Cordovaベースのアプリケーション)」テンプレートを選択し、「Next(次へ)」を選択します(図3参照)。
図3:プロジェクトテンプレートの選択
プロジェクトテンプレートを選択したら、プロジェクトに名前を付ける必要があります。作成するアプリケーションに適したわかりやすい名前を付けます。ここでは単純なHello Worldアプリケーションを作成するので、「Hello」と入力します(図4参照)。
New Project Options(新規プロジェクトのオプション)画面で、会社IDも入力する必要があります。会社IDは、製品名の前に付加されるプレフィックスで、この2つが連結してアプリケーション固有のバンドルIDになります。バンドル IDは、Appleのプロビジョニングポータルでアプリケーションに対して作成する固有のアプリケーションIDと同一になります(図5を参照)。
何を入力すればよいかわからない場合、またはこのアプリケーションのデバイスへの展開や配信をすぐには行わない場合は、何を入力してもかまいませんし、空白のままにすることも可能です。バンドルIDは、後からいつでも変更できます。その場合は、Xcodeのプロジェクト概要画面のIdentifier(ID)フィールドを編集するか、プロジェクトのInfo.plistファイルを手動で編集します。PhoneGapプロジェクトは、ARCの設定にかかわらず機能します。ARCを有効にすると、どのネイティブコードでも、retainおよびreleaseコードを用いてメモリ割り当てを管理する必要がなくなります。XcodeのLLVMコンパイラーによって適切なretainおよびreleaseコードが自動的に生成されます。ARCを無効にすると、メモリを手動で管理する必要があります。ARCはネイティブコードにのみ適用され、HTMLまたはJavaScriptコードには適用されないのでご注意ください。注意プロジェクトのオプション画面には、Automated Reference Counting(ARC)を有効にするためのオプションもあります。PhoneGapアプリケーション内でネイティブコードを記述しない場合は、このオプションは無視してかまいません。
PhoneGapネイティブプラグインまたはネイティブコードを記述する場合のみ、ARCの設定を行う必要があります。PhoneGapネイティブプラグインを使用すると、独自のネイティブコードおよびJavaScript APIを記述して、PhoneGapコンテナの機能を拡張できます。
- 「Next(次へ)」をクリックします。
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ファイルシステム内でPhoneGapプロジェクトを格納するフォルダーを選択します(図6を参照)。
図6:プロジェクトの場所を選択
- 「Create(作成)」をクリックすると、XcodeでPhoneGapプロジェクトが作成されます。ただし、プロジェクトを機能させるには、まだいくつか手順を行う必要があります。PhoneGapプロジェクトのインターフェイスの作成に使用するHTMLおよびJavaScriptはすべて、wwwフォルダーに格納されます。このwwwフォルダーは、最初はPhoneGapプロジェクトにはありません。このフォルダーを作成するには、まずアプリケーションを実行する必要があります。
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ウィンドウの左上隅にある「Run(実行)」をクリックしてアプリケーションを実行します(図7を参照)。または、Product(製品)/Run(実行)を選択することもできます)。
図7:Xcodeの「Run(実行)」ボタン
iOSシミュレーターでPhoneGapアプリケーションの起動が試行されます。最初の起動時には、「ERROR: Start Page at 'www/index.html' was not found.(エラー:スタートページ'www/index.html'が見つかりません。)」というエラーメッセージが表示されます。これは、普通の現象なので心配する必要はありません。この最初の手順中に、wwwフォルダーが作成されます。このフォルダーをプロジェクトに追加すると、エラーは発生しなくなります。
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プロジェクトにwwwフォルダーを追加するには、Ctrlキーを押しながらプロジェクトのルートをクリックし、「Add Files To "Hello"(ファイルを「Hello」に追加)」を選択します(図8を参照)。
図8:プロジェクトにファイルを追加する準備
- 表示されたダイアログボックスで、新たに作成されたプロジェクトのwwwフォルダーを選択します。親フォルダーまたはフォルダー内のコンテンツではなく、 wwwフォルダーそのものを選択してください。
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「Create Folder References For Any Added Folders(追加されたフォルダーのファイル参照を作成)」を選択します(図9を参照)。このオプションを選択しないと、プロジェクトでエラーが発生します。
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「Add(追加)」をクリックします。プロジェクトのルートの直下にwwwフォルダーが追加されています(図10を参照)。
図10:プロジェクトのルートにwwwフォルダー
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「Run(実行)」をクリックして再びプロジェクトを起動します。今度は、プロジェクトが正しく設定され、iOSシミュレーターで起動します。wwwフォルダー内のHTMLファイルを一切変更していない場合は、iOSシミュレーターで実行されているアプリケーションにはデフォルトのPhoneGapスターターページが表示されます(図11を参照)。
図11:iOSシミュレーター
この画面が表示されたら、PhoneGapを使用してXcodeでiOSアプリケーションを作成することができます。




