モバイル向けのRAD開発をサポートする新ツールを初公開
続いて登壇したエンバカデロのローカライゼーション/ドキュメントマネージャ 新井正広氏は、「おそらく世界初だろう」という前置きで、現在開発中のモバイル向けの開発環境をデモンストレーションしてみせた。
新しい開発環境は、従来のWindowsデスクトップアプリケーション開発と同じように、コンポーネントをマウス操作でドラッグ&ドロップしてユーザーインターフェースを開発できる。ただ、その画面は、モバイルデバイスのものであり、コンポーネントもモバイル向けに適合したものだ。しかし、FireMonkeyという共通のマルチプラットフォーム対応コンポーネントフレームワークを使うことで、同じ開発手法、同じソースコードが利用できる。
開発環境には、ネイティブARMプロセッサ向け開発のツールチェインが提供されており、統合開発環境内でビルドし、シミュレーターや実機に転送して実行することができる。各モバイルデバイスに搭載されたGPS、カメラ、加速度センサー、ジャイロなどのセンサーへのインターフェースもコンポーネントとして提供されるので、異なるデバイスに対して共通したコーディングが可能になる。
コンポーネントが提供する機能だけでなく、ネイティブ言語の強みを活かし、各モバイルOSが提供するAPIを直接コールすることも可能だ。高性能化と市場への投入スピードの短縮化が進む、現在のモバイルアプリ開発に最適なツールとなることであろう。
今から始められるマルチプラットフォーム対応のC++開発
64-bit Windowsに対応したC++Builder XE3は、12月10日より提供を開始した。一方、モバイル向け開発機能は、現在活発にベータリリースが行われているとのことだ。
「iOSサポートは2013年前半、Androidサポートは2013年中盤のリリースを予定しています。現時点では、XE3を購入した方を対象にベータプログラムを実施しており、開発中の製品を試用できるようになっています」(Thomas氏)
モバイル環境においても、使用するコンポーネントフレームワークは同じFireMonkeyだ。
「現時点で、C++Builder XE3を導入し、FireMonkeyフレームワークによる開発を行えば、それは、WindowsとMac OS Xプラットフォーム向けの投資というだけでなく、iOSやAndroid向けの投資ということにもなるのです」(Thomas氏)