C++Builder XE3に搭載された新しいコンパイラアーキテクチャ
今回、C++Builder XE3に新たに64-bit Windows向けコンパイラが搭載された。コンポーネントフレームワークも64-bitに対応しているので、既存のアプリケーションも、ビルドターゲットを「64-bit」に変更するだけで、64-bit化が可能だ。
現在の多くのWindows PCは、64-bit CPUを搭載している。64-bit CPUの性能を100%利用できるとともに、32-bitの壁を越えた広大なメモリ空間を利用できるなど、多くのメリットがある。
今回のリリースでもう一つ重要なのは、最新のC++標準をサポートしていることだ。C++の言語標準は、昨年C++11としてまとめられた。新しいC++Builderのコンパイラは、この標準に準拠し、最新のC++ライブラリにも対応している。
それにも増して注目すべきは、そのアーキテクチャだ。
「今回のリリースで最も注目すべき点は、マルチデバイス対応のまったく新しいコンパイラアーキテクチャを導入したことです。これは、将来のためのアーキテクチャなのです」(Thomas氏)
新しいコンパイラアーキテクチャには、フロントエンドとバックエンドの2つの部分がある。新しい言語標準とRADテクノロジーに対応するための拡張に対応したC++のフロントエンドに対し、バックエンドは、多様なデバイスプラットフォームをターゲットとしたネイティブコードを出力する。高い柔軟性を備えたアーキテクチャにより、今後、Windows、Mac OS Xだけでなく、iOS、AndroidなどをターゲットとしたARMプロセッサにも対応できるのだ。
「2013年には、Delphi、C++の双方の言語で、iOS、Androidをサポートすることができます」(Thomas氏)