マルチデバイス時代に威力を発揮するRADテクノロジー
午前中のチュートリアルセッション、テクニカルセッションに続き、午後からは今回のイベントに合わせて来日したエンバカデロの製品担当ディレクター John Thomas氏による製品アップデートが行われた。同氏は、1990年代からのソフトウェア開発の歴史を振り返り、WindowsやWebのみに対応すればよかった時代から、現在では、モバイルを含む多様なデバイスプラットフォームに対応しなければならない難しい時代に入ったと指摘する。
「しかしこれは同時にチャンスでもあります。それぞれのプラットフォームが何十億とユーザーを抱えているのですから」(Thomas氏)
特に注目すべきなのは、モバイルプラットフォームだ。現在iOS、Android、Windows Phone、BlackBerryといったプラットフォームがあるが、これらをそれぞれサポートしようとすると、別々の開発言語、開発ツール、フレームワークなどを利用しなければならない。これでは、プラットフォーム追加するたびにコストが倍増するし、バグを修正するにも、それぞれのプラットフォームごとにコードを直していかなければならない。
そこで、エンバカデロが提供するアプローチは、単一のコードベースによる開発だ。Windows、Mac OS XといったPC向けのデスクトップクライアントに加えて、モバイルプラットフォームをサポートすることで、コストの削減と工数の短縮が可能になる。
ある事例の試算によると、エンバカデロが提供するマルチプラットフォームに対応したRAD手法を用いることで、従来5万行必要としたコードは2千行で済み、必要な工数も184人月から15人月と、劇的に短縮された。実際、コード1行あたりの単価も28.31ドルから2.26ドルに削減可能になるという。