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【デブサミ2013公募レポ】14-B-1 レポート
「3つの世界:エンタープライズ、ソーシャル/ゲーム、スタートアップ」

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2013/04/23 14:00

目次

パネルディスカッション

 御三方の発表に続き、パネルディスカッション。

 ここまで若干時間が押していたのもあり、テーマとしては2つに絞られる形で意見交換が行われました(※ちなみにここでの『ウルトラエコシステム』はスマホ&タブレット、Facebook&Twitter、AWSクラウドといった環境を指します)。

1. ウルトラエコシステムでどんな影響が? エンタープライズはそれらをどうやって使っていくべきか。

 三谷氏:「成熟化、コモディティ化はウルトラエコシステムでもできているのではないか。日本における一番最初のIT化は東京五輪。その後、金融システムを作るために技術(者)が分散して行った。今後はプログラミングがデフォルトでできるような時代になってくるだろうし、アイデアも求められるようになるのでそこに対応していかねばならない。もしくは死ぬ程技術を突き詰める、掛け算して新しいものを生み出すなどしていく必要がある」

 玉川氏:「エンタープライズで付加価値を付けるということを重要視していくことが必要なのでは。単に○○が使えるからといっても、それだけでは付加価値にはならない。エンタープライズにとって付加価値になるような、導入の仕方が必要になってくるのではないだろうか」

 伊藤氏:「クラウドは別に要素技術でしかないので、そこはバンバン使えば良いのだと思う」

2. グローバル化していくことで働き方はどう変わっていくか?

 玉川氏:「孫さんは先程、東アジアにエコシステムを作るとおっしゃいましたが」

 孫氏:「今、僕等のところへ来る若い人たちには、"日本から世界へ"という考え方はない。最初からマルチ言語、世界を視野に入れている。また私は彼等に英語で開発しなさい、と強く言っている。その方が逆にチャンスなんだと。英語を母国語にしていない人には超単純な英語で対応していくことになり、次第にUIでカバーしていくという方向に。そして言語に依存しないUXを設計するように自ずとなっていくものである。世界共通言語としての英語を用いることで、ユニバーサルなデザインが指向しやすくなる部分はある。日本人向けに作るとなると、我々の場合どうしても日本文化・常識を無意識のうちに考えてしまう。例えば、『ワイルドだろぅ?』というと日本の人は笑うけど、これはアメリカでは笑ってもらえない(※残念ながら会場でも笑ってもらえませんでした)」

 三谷氏:「国内で閉じた開発、というのは難しくなってくるのではないだろうか。これまではオフショアという形が多かったと思うが、今後はいろいろな立場にいるいろいろな仲間たちとやる、みたいな意識が強くなってくるのでは」

 伊藤氏:「(超ギークな立場からすると)英語で書くとパッチが海外から送られてくるので、それはそっちの方が良い。グローバル化どうこうっていうよりも、そういった環境があるのならそっちでやっていった方が良い。現在ではRubyが広まってきているが、最近海外の人が日本語で(伊藤さんに)話しかけてくる、ということもあったりした」

 玉川氏:「(伊藤氏の発言を受けて)インド人が話す英語を、イギリス人が理解しなければならない(そうしないと仕事ができない)という逆転現象も起きているようですね」

質疑応答

 Q. エンタープライズの説明において、デザインの人材も求められるという話があった。固有の知識を持った上で技術を備え、さらにデザインも…となると結局はスーパーマン的な人材像になる。起業の人材は要らなくなるのではないか?

 三谷氏:「ここではある種の合気道のようなもの。一緒に環境に入り込んでいろいろな視点から成熟させていく=これをデザインと呼んで、一緒に(withの関係で)そういうことができる人材を求めている。正確にいうと問題解決より問題発見。このプロセスが重要ではと思っている」

 伊藤氏:「アプリを総合的に見ないといけない、というのは結局必要だと思う。デプロイのプロセスを見れる、イケてるエンジニアがいることが重要。先のオバマ(総選挙サイト)の件でも、超デプロイがうまい人がいたお陰でうまく行っていた。また国内においても、クックパッドなどはこの点で先を走っている」

 三谷氏:「そう考えると、先程出た"バンドを組む"というのは合っているのかもしれない」

 Q. 会場には7割近くがエンタープライズ寄りの参加者。技術者がソーシャルに流れている現状で、エンタープライズで活躍してもらうためには何をすれば良いのか?

 三谷氏:「今セッションにカウンターを打つつもりはないが、バウンダリを意識すること自体が間違いなのではないか、とも思った。また、日本は強烈な縦社会。その状況を突破していかないと新しいものは生まれてこないのではないか。エンタープライズも、自身をエンタープライズと意識しないことが重要なのではないか」

 伊藤氏:「SIの転職者を面談などで数多く見てきたが、そこでは"フィードバックが即座に欲しい"という声が非常に多く聞かれた。エンジニアが真っ当に実感を持てる環境を整えるということが重要なのではないか」

 玉川氏:「マネージメント側の立場からすると、そういう環境を作り上げるということが大事ですね」

結び

 所属する世界における本質を見るために、各世界を俯瞰してきたこのセッション。

 「距離を置くことで自分の世界に改めて出会えましたか?」と玉川氏が会場参加者に語り掛け、最後に登壇者一同がAction!についてコメント。

 三谷氏:「Open,Speciality,Professionalism。仲良しになることなく、自らのスペシャリティを確立させる。最後に向かうべきものはProfess(公言する/明言する)。どこのために何をやるのか。その辺りを考えてみて欲しい」

 伊藤氏:「"Webサービスを作ろう"。この言葉に共鳴してくれると嬉しいです」

 孫氏:「ロボットベンチャーをやろうと思っている。一緒に未踏の領域に踏み込んでくれる人を募集します! ぜひご連絡ください」

 玉川氏:「このパネルで皆さんは何を学びましたか? 何を感じましたか? この後、自分について何か書いていただけると幸いです。Twitterでも、Facebookでも、Blogでも」

 盛大な拍手と共にセッションは終了。非常に内容の濃い、聴き応えのあるものとなりました。



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著者プロフィール

  • しんや(シンヤ)

    2010年末~2013年前半位までの期間で興味のある勉強会に頻繁に参加。参加してきた勉強会のレポートブログとTogetterをひたすらまとめ続け、まとめ職人(自称/他称含む)として暫く過ごしておりました。色々な縁あってDevelopers Summit 2013では『公募レポーター』も務めました。...

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