なお、今井さんご本人の講演資料、Togetterのまとめ資料は下記になります。
(編注:編集部都合で掲載が遅くなってしまいましたが、デブサミ2013の特別企画として実施された「公募レポーター」の記事を掲載させていただきます)
はじめに ~異色のセッション?
タイムテーブルを見て、『あれ?』と思ったのがこちらのセッションです。実は、私はデブサミは過去半数くらいは参加しています。その中でも、このセッションは『いつもと違うな』という印象を受けました。
それまで、インフラ/Web/大規模データ/アジャイル...といったキーワードの講演が中心で、スピーカーの皆さんも、そうそうたる顔ぶれの『IT企業』の皆さんが中心でした。
そんな中、『HONDA』と言えば、真っ先にイメージするのは『自動車メーカー』。『情報』よりは、むしろ『モノづくり』です。
それでも、私は当日この時間帯では、迷わずこのセッションを選択させていただきました。上記のように、『デブサミでは異色かも?』と思いつつ、実は、日頃インターナビを利用している1人だったからです。
開発者自身のお話を伺えるということで、それはそれで、大変楽しみなまま、当日を迎えました(ただし、車に関しては、運転に最低限の知識しかありません。車種の見分けもつかないくらいのレベルです、念のため....)。
1. 今井さんからのごあいさつ
さて、待望のセッション開始です。レポーター特権を活かして、今回も最前列に席を構えさせていただきました。やや申し訳ない気持ちで後方を見ると、スーツ姿の方が多く、会場の年齢層は若干高めな印象を受けました。
『自動車メーカーが講演を行うのは、デブサミとしては珍しいみたいですね』
そんなことを、スピーカーの今井さん自身、冒頭でおっしゃっていました。
『急に決まったお話で、Hack for Japanの活動の繋がりで、岩切さんから講演のお話を頂きました』とのことでした。正直、この時点で、Hack for Japanというキーワードの背景にあるものに気がついていれば良かったのですが、『メーカーだから、組み込み系のお話なのかしら』なんて甘い想像をしていました...。
2. 日本初のカーナビと、その悩み
『世界で初めて、自動車メーカー自身でカーナビを開発したのがHONDAなんですよ』
実は、これはまったく知りませんでした...。
そのカーナビ、まさしくインターナビにお世話になっているのですが、『なんでこんなルートが最適なの?』と思うこともしばしば。ランドマークも1年もしないうちに変わったりなくなったりで、すぐに古くなってしまうのは、車オンチな私でも感じています。
今井さんご自身、『組み込みのカーナビでは、すぐに古くなってしまう。ユーザさんからもたくさんそういうご指摘をいただきました』と苦笑しつつお話を進められました。
そして、この状況をなんとかしたいということで、インターネット利用し、スマートフォンやモバイル端末向けに、情報提供サービスを展開するようになったとのことでした。
ここまでは、『うんうん、そうなんだよね』という感じで、比較的楽しみつつ、ASIMOや本田宗一郎氏に想いを馳せながら心中穏やかにお話を伺っておりました。かく言う我が家のカーナビは、第二東名を走行中、画像では山の中をひた走っています。
3. 会員どうしが支える情報
組み込みで固定されたカーナビという枠を超えた、インターナビの紹介は続きます。
初代のインターナビは、2003年の誕生したとのこと。
『フローティングカーデータ』として、インターナビを搭載している会員の車から走行中のデータを集積し、そこから交通状況や予測データを提供するサービスが広がっていきました。
すでに、この時期に、情報をシェアし、さらに付加価値を付けて還元するという仕組みが出来上がっていたんですね。
さて、ユーザの元に届くルート情報は、単に渋滞情報から割り出されるだけではありません。安全な走行を支えるための、さまざまなデータが届けられます。
日々感じていた、『なんでこんなルートなの?』の謎も、ここで明らかされました。
また、面白いのが『シーニックルート』の情報の提供でした。その日の気象条件・時間等にあわせて、いわゆる目玉スポット/ビュースポットをお勧めしてくれる機能だそうです(このルートを通ると、桜が綺麗ですよ!といった情報など)。
もちろん、道路状況は刻一刻と変わるので、利用する側としては当たり外れも若干あるとは感じています。目的地までの天候の影響も少なくはないので、インターナビからの気象情報と合わせ、時刻や休憩が必要かどうかの判断も取り入れながら、運転に活用させてもらっています。