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アプリの開発・デプロイが驚くほど迅速かつ簡単にできるクラウドプラットフォーム「BlueMix」にトライ

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 IBMは、次世代クラウドプラットフォームとして「コードネーム:BlueMix」の公開ベータ・プログラムを開始しました。BlueMixは、アプリケーションの開発、デプロイ、管理を迅速かつ簡単に実行できるPaaS(Platform as a Service)環境です。10万台以上の稼働サーバー、2,200万以上の運用ドメインを誇るメジャーなIaaSの一つ「SoftLayer」をインフラ環境とし、オープンソースのPaaSソフトウェア「Cloud Foundry」をベースに開発されました。では、BlueMixで何ができるのでしょうか。本稿ではその便利な機能を概観した後、実際にBlueMixを利用してアプリケーションを作成してみます。

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デベロッパーがコードを書くことに専念できる環境を提供

 Webアプリケーションの開発を始めるには、その前に実行環境をインストールし、構築しなければなりません。ときには、データベースなどのバックエンドサービスとアプリケーションとを連携させる必要があります。

 BlueMixは、これらの面倒な作業を簡易化し、デベロッパーがすぐにプログラミングを始められる環境を提供します。BlueMixのダッシュボードでは、カタログから「ボイラープレート」「ランタイム」「サービス」を選ぶことで、簡単にアプリケーションの作成、デプロイを行うことができます。

ボイラープレート

 ボイラープレートでは、ランタイム、サービス、コンテナなど、アプリケーションに必要な環境をすべて含むテンプレート的なアプリケーションを構築できます。次の4つが用意されています。

  • Java Web Starter
  • Node JS Web Starter
  • Mobile Backend Starter
  • Java+DB
BlueMixで利用できるボイラープレート
BlueMixで利用できるボイラープレート

ランタイム

 ランタイムは、アプリケーションの実行環境です。標準では次の4つを利用可能です。

  • Liberty for Java
  • Node.js
  • Ruby on Rails
  • Ruby Sinatra
BlueMixで利用できるランタイム(標準)
BlueMixで利用できるランタイム(標準)

サービス

 BlueMixでは、次の表に示すように、さまざまなカテゴリのバックエンドサービスを利用できます。

BlueMixで利用できるサービス(※ベータ版のため今後変更される可能性があります)
カテゴリ サービス
Web/アプリケーションサービス  
  • Data Cache(WebSphere eXtreme Scale)
  • Session Cache(WebSphere DataPower XC10)  
  • Elastic MQ(WebSphere MQ)
  • Decision(Operational Decision Manager)
  • SSO
  • Log Analysis
  • Redis
  • RabbitMQ
モバイルサービス
  • Push
  • Cloud Code
  • Mobile Application Management
  • Mobile Quality Assurance
  • Mobile Data
  • Twilio
データ管理サービス
ビッグデータ
  • SQL Database(DB2)
  • JSON Database(Informix)
  • MongoDB
  • MySQL
  • PostgreSQL
  • Blue Acceleration(DB2)
  • MapReduce(InfoSphere BigInsights)

 

BlueMixで利用できるサービス
BlueMixで利用できるサービス

ベースはCloud Foundry

 BlueMixは、オープンソースのPaaSソフトウェア「Cloud Foundry」をベースに開発されました。そのため、Cloud Foundry向けに作成された「Buildpack」を導入することで、開発環境を容易に拡張できます。

 Buildpackは、ランタイム環境やフレームワークを提供するためのスクリプトです。標準で提供されているLiverty for JavaやNode.jsもBuildpackになります。Cloud Foundry向けに開発され、公開されているBuildpackを導入すれば、標準以外の言語や実行環境も利用可能です。

Buildpackの公開サイト
Buildpack information for Cloud Foundry v2

 なお、Cloud Foundryはオープンソースソフトウェアであり、デベロッパーのコミュニティーではさまざまな活動が行われています。BlueMixだけでなく、Cloud Foundryのコミュニティーに参加することで、ドキュメントやチュートリアルをはじめ、開発時に役立つ情報を得ることができます。

BlueMixおよびCloud Foundryのコミュニティーサイト
BlueMix Developers Community
Cloud Foundry
日本Cloud Foundryグループ

 次のページから、現在提供されているBlueMixのベータ版で、アプリケーションの作成やデプロイを行ってみます。

BlueMixを利用するための登録と申請

 では、BlueMixのベータ版を試してみましょう。最初に、BlueMixのベータ版を利用するためのユーザー登録と申請を行います。

1. BlueMixのWebサイトにアクセス

 まず、ブラウザでBlueMixのWeb サイトを開きます。

BlueMixのWebサイト(ベータ版)
BlueMixのWebサイト(ベータ版)
2. IBM IDの登録

 [Sign up for the free beta]ボタンをクリックすると、IBM IDの新規登録画面が表示されます。IBM IDをすでに持っている場合は新規登録の必要はありませんので、[Already have an IBM id?]をクリックし、次の画面でIBM IDを入力しサインインします。IBM IDを持っていない場合は、この画面にしたがって新規登録(無償)を行ってください。

IBM IDの登録
IBM IDの登録

 すると、申請が受け付けられたことを表す画面が表示されます。

申請が受け付けられた
申請が受け付けられた
3. 利用申請の完了

 利用申請が通ると、IBM IDとして登録したメールアドレス宛てに「Codename: BlueMix – 試用版の確認」というタイトルのメールが届きます。メールの「登録を完了するにはここをクリックしてください。」をクリックし、表示されたサインイン画面でIBM IDとパスワードを入力すると、BlueMixのダッシュボードにアクセスできます。

BlueMixのダッシュボード
BlueMixのダッシュボード

ダッシュボードでスターターアプリを作成

 それでは、アプリケーションの作成を始めましょう。BlueMixでは、次の方法でアプリケーションを作成・デプロイできます。

  • BlueMixのダッシュボードを利用する
  • コマンドラインツール「cf」を利用する
  • JazzHubなどの開発環境を利用する

 本稿では、BlueMixのダッシュボードでアプリケーションの実行環境を作成し、そこにcfツールでコードをデプロイする方法を紹介します。手元の環境はWindowsです。

 

 BlueMixのダッシュボードでは、ランタイムを選択してスターターアプリを簡単に作成できます。スターターアプリとは、BlueMixが自動生成するアプリケーションで、開発するアプリケーションのひな形になるものです。

1. カタログの表示

 BlueMixにログインし、上部バナーの「CATALOG」をクリックしてカタログを表示します。

カタログの表示
カタログの表示
2. アプリケーションの追加

 作成するアプリケーションのタイプを指定しますが、ここではNode.jsをクリックします。ダイアログボックスが表示されたら[CREATE APP]ボタンをクリックします。

Node.jsアプリの作成
Node.jsアプリの作成
3. アプリケーションの生成

 [Name]にアプリケーション名、[Host]にホスト名を入力します。デフォルトでは[Name]に入力したアプリケーション名が[Host]に反映されます。

 [CREATE]ボタンをクリックすると、アプリケーションが自動生成され、デプロイ後、起動します。

アプリケーション名とホスト名の入力
アプリケーション名とホスト名の入力
4. 作成したアプリケーションの表示

 ダッシュボードには、作成したスターターアプリが表示されています。

スターターアプリの表示
スターターアプリの表示
5. アプリケーションの実行

 ダッシュボートに表示されたアプリケーションの下にあるリンク(ここではBlueTest1.ng.bluemix.net)をクリックすると、そのアプリケーションを実行できます。

スターターアプリの実行
スターターアプリの実行
6. アプリケーションの概要を表示

 ダッシュボードで作成してアプリケーションをクリックすると、アプリケーションの概要が表示されます。

アプリケーションの概要
アプリケーションの概要
7. スターターアプリのダウンロード

 右上の歯車のアイコンをクリックして[View Guide]を選択すると、アプリケーションの修正方法が表示されます。「Download the starter application package」をクリックすると、作成したスターターアプリをダウンロードできます。これを修正しカスタマイズすることで、アプリケーションを構築できます。

 なお、修正したアプリケーションを再度デプロイするには、次のページで説明するコマンドラインツール「cf」を利用します。

アプリの修正方法の表示
アプリの修正方法の表示

cfツールでアプリをデプロイ

 cfは、BlueMixにアクセスし、ローカルで作成したアプリのデプロイなどを行うコマンドラインツールです。以下のように使用します。

1. cfのインストール

 最初に、cfをインストールします。こちらのサイトからインストーラを入手し、任意の場所にcfをインストールしてください。

インストーラはここからダウンロード
インストーラはここからダウンロード
2. cfコマンドのパスの設定

 コマンドプロンプトでcf -vコマンドを実行すると、cfのバージョンが表示されます。

cfのバージョンを表示
cfのバージョンを表示
3. BlueMixの場所を指定

 cf apiコマンドを実行し、BlueMixの場所(https://api.ng.bluemix.net)を指定します。

cf apiコマンドの実行
<strong>cf api</strong>コマンドの実行
4. BlueMixにログイン

 cf loginコマンドでBlueMixにログインします。ログインにはIBM IDと、BlueMixで使用しているものと同じパスワードを指定します。

cf loginコマンドによるログイン
<strong>cf login</strong>コマンドによるログイン
5. アプリケーションをBlueMixにデプロイ

 cf pushコマンドで、ローカルで作成したアプリケーションをBlueMixにデプロイします。ここでは、BlueMixのドキュメントサイトからダウンロードできるサンプルコードを利用します。

 サンプルコードを任意のディレクトリ(中は空であること)に展開したら、そのディレクトリに移動して、cf push <アプリ名>コマンドを実行します。cf pushコマンドは、ディレクトリの内容をすべてアップロードします。

cf pushコマンドによるデプロイ
<strong>cf push</strong>コマンドによるデプロイ
6. アプリケーションの実行

 デプロイが完了したら、ブラウザでアプリケーションにアクセスします(ここでは、bluetest2.ng.bluemix.net)。

アプリケーションの実行
アプリケーションの実行
7. デプロイしたアプリケーションを確認

 BlueMixのダッシュボードを表示すると、デプロイしたアプリケーションを確認できます。

デプロイしたアプリケーションを確認
デプロイしたアプリケーションを確認

バックエンドサービスを追加

 ダッシュボードでは、アプリケーションに対し、データベースなどのサービスを簡単に追加できます。ここからは、その手順を見ていきます。

1. サービスの一覧を表示

 ダッシュボードの[Add a service]ボタンをクリックして、サービスの一覧を表示します。

サービスの追加
サービスの追加
2. 追加したいサービスを選択

 サービスの一覧が表示されたら、アプリケーションに追加したいサービスをクリックし、[ADD TO APPLICATION]ボタンをクリックします。

追加したいサービスを選択
追加したいサービスを選択
3. サービスを追加するアプリケーションを選択

 サービスを追加するアプリケーションを選択して、[CREATE]ボタンをクリックします。アプリケーションの再起動が必要というメッセージが表示されたら、[OK]ボタンをクリックします。

サービスを追加するアプリケーションの選択
サービスを追加するアプリケーションの選択
4. 追加したサービスを表示

 ダッシュボードに、追加したサービスが表示されます。

追加したサービスが表示される
追加したサービスが表示される

 

 ここまで見てきたように、BlueMixではさまざまなランタイム、サービスを利用して、簡単にアプリケーションを開発し、デプロイすることができます。

 BlueMixを利用することで、デベロッパーは開発作業に専念でき、作業効率の向上が期待できます。ITマネージャーは、実行環境や検証環境の構築・運用管理作業を効率化できます。ビジネスリーダーは、ビジネス成長を実現する新しいアプリケーションの開発体制を確立し、急激な市場の変化にも迅速に対応できます。

 三者三様の価値をもたらすBlueMixにぜひ一度トライしてみてください。

BlueMixで開発したアプリ・サービスのコンテストを開催

 日本IBMでは、BlueMixを使用して開発したアプリケーションやサービスを競うコンテスト「IBM BlueMix Challenge」を、5月21日から開催します。募集要項や条件といったコンテストの詳細は、5月21日~22日に発表される予定です。

イベント情報① BlueMixとIBMパートナーシップを案内するセミナーを開催

 日本IBMでは、同社とのパートナービジネスに興味をお持ちのソフトウェア開発企業、サービスプロバイダーなどの中小企業、スタートアップ企業を対象に、パートナーエコシステム施策とBlueMix、およびパートナー先進事例を紹介するセミナー「IBM Software & Cloud Innovation」を開催します。

 開催日は2014年5月13日で、セミナーが14:00~17:00、BlueMixパーティーが17:00~18:00に行われます。場所は六本木ヒルズ・森タワー49階 六本木アカデミーヒルズ。定員は200名です。

 セミナーでは、ソフトウェア事業戦略「SMACS」や起業家支援プログラム「Global Entrepreneur Program」についても説明があります。

 セミナーの詳細および参加のお申し込みは、こちらの日本IBMのWebサイトをご覧ください。

イベント情報② 地方4会場を巡るIBMのクラウド体験イベントも開催

 日本IBMでは、同社が誇るクラウド専門家(クラウド・マイスターズ)が日本各地を回り、SoftLayerを皆様に体験していただくイベント「IBM Cloud Exchange 2014」も開催します。ぜひご参加いただき、地方でこそメリットが最大化するIBMクラウドの魅力を直接感じてください。

 開催地は札幌、大阪、福岡、金沢で、5月19日~6月4日に各会場で1日ずつ開催。参加費は無料(事前登録制)です!

 開催日時・場所などの詳細情報、およびイベント参加のお申し込みはこちらの日本IBMのWebサイトをご覧ください。

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【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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