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IBM Software Impact 2014レポート

【IBM Impact 2014 基調講演②】人とデータとプロセスをつなぎ、絆を深めるシステムが新ビジネスを拓く


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 「IBM Software Impact 2014」3日目の朝。世界中から9,100名の登録があったという参加者は、会場が米国ラスベガスということもあってか誰もが陽気で、IBMの新しい製品、ソリューションへの期待に胸をふくらませているようだった。昨日の基調講演は、IBMがこれから発展させていくクラウド中心の開発・運用エコシステムの全体像を示したものだったが、本稿でお伝えする基調講演では、IBMのモバイル、クラウド、アナリティクスを駆使して新規ビジネスを展開している事例が紹介された。

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モバイル活用で顧客との絆を深める

 今朝の基調講演は、昨日の基調講演でIBMのモバイルソリューションを解説した米IBM MobileFirst担当 ゼネラルマネージャーのメアリー・ウィック氏が最初に登壇。ウィック氏はまず、これからITを活用したビジネスを展開する上で考慮すべきということを3つ掲げた。

  1. 顧客を中心に考え、顧客にパーソナライズされた体験を提供すること。
  2. データから、リアルタイムにアクション可能な洞察を得ること。
  3. ビジネスの伸長に合わせて、システムもスケール(拡大)できること。

 これらを実践した企業の成功例も紹介。例えば、米国シアトル近郊にあるポイントディフィアンス動物園が、チケット窓口や来場客とのやり取りなどで収集した1200万個のビッグデータを分析して、オンラインチケット販売を700%伸ばした。さらに、分析で得た洞察から園内業務のプロセス改善も可能だという。また、米国フロリダ州にあるサンライフスタジアム球場では、シーズンチケット購入者に「駐車場の空き」や「列の短い売店」といった情報をモバイルを使って提供したところ、球場内の運営効率が90%も伸びた例も紹介した。

米IBM MobileFirst担当 ゼネラルマネージャー メアリー・ウィック氏
米IBM MobileFirst担当 ゼネラルマネージャー メアリー・ウィック氏

 さらに事例紹介として、家電製品や情報端末などを実店舗、オンラインの両方で販売する米h.h.gregg社のeコマース担当シニアバイスプレジデント ケビン・ライオンズ氏を壇上に呼び、同社のモバイルを使用した顧客体験向上の取り組みについて説明を求めた。

 ライオンズ氏は、同社が1955年の創業以来、他社との差別化に努めてきたとし、現在はナショナルチェーンなどとの競争に勝つための施策として、昨年からモバイルを活用した顧客体験の向上に投資。同社のモバイル向けWebサイトでユーザーがとっている行動や操作を分析し、最適化を施すなどして、顧客とのエンゲージメント(絆)を高めているのだという。「この取り組みは他社に先駆けるものであり、当社はモバイル活用においてフォロワーではなく、トップランナーだと自負している」(ライオンズ氏)。

米h.h.gregg社 eコマース担当シニアバイスプレジデント ケビン・ライオンズ氏
米h.h.gregg社 eコマース担当シニアバイスプレジデント ケビン・ライオンズ氏

 新しいモバイル向けサイトの構築は、4か月でリリースするために、モバイルソリューション専業コンサルティング会社の米ポイントソース社と、IBMのモバイルソリューション開発基盤Worklightを利用。その年のクリスマス商戦にリリースを間に合わせることができ、従来よりコンバージョン率を30%、売上を80%高めるという成果を得た。一方で、サイトにかかるアクセス負荷は劇的に下がったという。

 また、今年の初めに、モバイル端末上でゲームをして購入割引を獲得するというプロモーションを行ったところ、プロモーション期間が終わった後もゲームで遊ぶ人がいたことが判明。ライオンズ氏は「エンゲージメントの過去最高記録を達成することができた」と、モバイル活用の効果を会場の参加者に語った。

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