不正請求の発見まで可能にするBlueMixの高度なデータ分析サービス
ウィック氏に続いて、ステージには米IBM インフォメーション&アナリティクス担当バイスプレジデントのボブ・ピッチアーノ氏が登壇。ピッチアーノ氏は、データをビジネスに迅速に反映し、成功のきっかけを逃さずつかむことが現在の常識になってきていると指摘。そのために、IBMではIoT(Internet Of Things)を取り入れ、ビジネスをよりスマートに進めるための「Real-time Actionable Insight(リアルタイムで行動できる洞察)」を構想しているという。
Real-time Actionable InsightはBPM(ビジネスプロセスマネジメント)の進化形といえるもので、人、プロセス、システム、データ、デバイスなどからイベントを検知し(Sense)、それらの相関関係を発生状況などのコンテキストに基づいて解析(Build)。さらに、ビジネスルールにより洞察を得て、最適な意志決定を行い(Decide)、ビジネスプロセスにつながるアクションをとる(Act)。
この分野において、IBMは次の点で他社との差別化ができているという。
- 非常に難解で不明瞭なイベントや人、プロセス、時間、場所の間にも関連付けができる。
- 予測分析、ルール、ポリシーを含む包括的な分析ができる。
- この知見をコンテキスト上でリアルタイムに適用し洞察を継続的に引き出せる。
「IBM Operational Decision Manager Advanced」は、Real-time Actionable Insightを実行できる製品。ビジネスルールやイベント、予測分析の機能が単一のプラットフォームに統合されており、クラウドとオンプレミスの両方で提供される。過去の結果を解析して「通常の状態」を割り出すことができるため、たとえば、保険の支払い請求に不正があるかといったことが瞬時にわかるという。
また、この日からBlueMix上で利用可能になったデータベースおよびデータ分析サービスが5つある。
- BLU Acceleration
- MapReduce
- Cloudant
- Mobile Data
- SQL Database
BLU Accelerationサービスはインメモリーでの動作やカラム型テーブルなどのデータベース機能を提供。MapReduceサービスにはHive、BigSQL機能、IBM BigSheetsが含まれている。CloudantはJSONデータ、プレーンテキスト、地理データを格納可能なDBaaS(Database as a Service)である。
これらに加え、次の4つの新サービスが前日に発表になっており、モバイルやWebアプリケーションにデータ分析の機能をBlueMix上で付加できるようになった。
- Geospatial Analytics(地理的データ分析)
- Time Series Database(時系列データベース)
- Reporting(レポーティング)
- Predictive Scoring(予測スコアリング)
さらに「ナレッジワーカーに革命を起こすプロジェクト」(ピッチアーノ氏)として、ピッチアーノ氏はコードネーム「Blue Insight」を紹介。Blue Insightはその名のとおり、データから洞察(インサイト)を迅速に見つけるもので、BlueMixに直接統合される。
Blue Insightは「Data Refinery」と「Catalyst Insight」という2つの要素で構成されている。Data Refineryはデータの抽出・転送やマッチングなどをBlueMixサービスの中で行えるようにする。Catalyst Insightはデータを深く学習し、より深く掘り下げていく機能をもち、何が重要かを示す。分析結果の数字を示すだけでなくその説明を示したり、数字を可視化してくれるため、Real-time Actionable Insightを具現化するものとなっている。
「当社が実現を目指すComposable Business(組み合わせて作ることができるビジネス)を、Real-time Actionable Insightにより一歩進んだレベルでやりたいと思っている。ナレッジワーカーや分析担当者には、BlueMix環境の中でBlue Insightを使って革命的な体験をしてほしい」ピッチアーノ氏はこう述べて、自身の講演を締めくくった。
なお、この日の基調講演では、4月24日に搭載サーバー「IBM Power Systems Sクラス」が発表されたPOWER8チップやIBM System zなど、同社のハードウェアに関する講演も行われた。POWER8については、本イベントの展示会場に米グーグルが開発したPOWER8サーバーのマザーボードが置かれ、参加者の注目を集めていた。


