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コミックマーケットに行って、ニッチな技術系同人誌を探そう!

ニッチでエッジな技術本をゲットしよう!
~IT技術者向けコミケ 初心者ガイド(2014年冬版)

コミックマーケットに行って、ニッチな技術系同人誌を探そう!


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技術者視点でコミケを楽しもう

 コミケで、技術系同人誌のサークルに行った際の、楽しみ方について書きます。普通の本屋で本を買ったり、ネットで情報を見たりするのとは違う楽しみ方ができます。なぜならば、コミケでは多くの場合、その場に執筆者がいるからです。色々とその場で質問ができるのです。そういったことについて書こうと思います。

サンプルを読もう

 「同人ゲーム」ジャンルのブースには、同人ゲームや同人誌が置いてあります。同人ゲームは、デモムービーの展示が多く、同人誌はサンプルが置いてあります。このサンプルは、ほとんどの場合、立ち読みさせてもらえます。「読んでもいいですか?」と一声かけて、「どうぞ」と言われたら、手にとって読んでみてください。あるいは、最初から「サンプル」と書いた本が置いてあります。

 コミックマーケットは、同人誌"展示"即売会です。売る以外にも、展示の目的もあります。ただ、マンガとは違い、技術系同人誌はページ数が多く、文字が多いです。マンガのように、ぱらぱらと全ページめくって、買うかどうか判断するというわけにはいかないです。きちんと読もうとすると、時間がかかり、他の来場者の迷惑になってしまいます。

 ぱらぱらとめくって、「これはありだ!」と思ったら、購入して持ち帰ってから読む方がよいでしょう。コミケの1サークルのブースは、長机の半分です。そのため、2人が前に立つと埋まります。立ち読みして、「面白い!」と思えば、ご祝儀だと思って買うのが吉です。とはいえ、財布と相談ではあるのですが。

技術トークで盛り上がろう

 これは私が出展者側として参加した経験からなのですが、来訪者から技術系の質問を受けるのは大変嬉しいです。コミケは、展示即売会なだけでなく交流の場です。実は執筆者は、自分が書いた本や、その背景の技術について、話したくてうずうずしています。

 的確な質問が来たら「ふっ、その質問を待っていたぜ!」とばかりに、楽しく技術トークを始めます。これは、私だけではないと思います。みんな、マニアックな濃いトークを待っていると思います。簡単な質問でも、とても嬉しいです。

 というわけで、コミケの楽しみの一つに、そういった交流があることも知っておくとよいでしょう。自分が気になる技術の本があれば、そのブースに作者の方がいるか聞いてみるとよいです。そうしたら、本を書く上での苦労話とかを直接聞くことができます。これは、本屋で本を買ったり、ネットで技術情報を見たりするのでは得られない楽しみです。

 ぜひとも技術トークをして、交流を楽しんでください。ついでに本も買うと、きっと口が軽くなること請け合いです。

マナーを守ろう

 先ほど「技術トークで盛り上がろう」と書きましたが、その際に注意しなければならないこともあります。

 まず、一番注意しなければならないのが、隣のサークルさんの邪魔をしないということです。各サークルのブースは狭いです。そのため、Aサークルの人と話すために、隣のBサークルさんの前に立っていたら、Bサークルさんに迷惑をかけます。これは御法度です。

 同様に、話す相手のサークルさんに、他の来訪者がいるなど忙しい時には、会話は切り上げるべきでしょう。1つのサークルの前には、2人しか立てないので、暇な時を狙った方がよいです。

 次に、2回目以降のコミケ参加で、よくあるケースなのですが、以前サークルの人と話したからといって、そのサークルの人に覚えてもらっていると思わない方がよいです。あなたにとっては、たった1人の重要人物かもしれませんが、サークルの人は、1日に何百人と話をしています。それも前回のイベントは半年前などです。そのため、覚えてもらっていないという前提で話をした方がよいです。

 コミケ独特のマナーが多いですが、基本的には空気を読むことが大切になります。

コミケの趣旨を理解しよう

 コミケには有名な格言があります。「コミケにお客様はいません、全員参加者です」というものです。この考え方について、コミケットにおける基本概念から文章を引用しておきます。

コミケットにおける「参加者」

 コミケットに「お客様」はいません。コミケットという場において表現を行うサークル・コスプレ・企業参加者、その表現を求めて場に集う一般参加者、運営の中心となるスタッフの全員が、対等な立場の「参加者」としてコミケットをとり行います。参加者は、サークル申込やスタッフ登録により、いつでも自由に参加形態を変えることができます。

 コミケットは表現に限らず自由な場であるために、禁止事項など一律のルールは最小限に留めたいと考えています。そのため、参加者は事前にカタログ(冊子カタログ・DVD-ROMカタログ・Webカタログ)を熟読することで、コミケットの考え方やルールをよく理解し、自らを律し、マナーやモラルを考え、相互の立場に配慮して行動することを求められます。

 通常の本屋では、本を買う人は「お客様」です。しかし、コミケでは、同人誌を買う人は「お客様」ではありません。同じコミケという場で、コミケというイベントに参加し、そのイベントをとり行う「参加者」という同じ立場です。そのため「俺はお客様だぞ!」といった立場をとる人は、コミケの理念を理解していない人として排除されます。

 そういった、コミケ独特の文化は、実はIT技術者の文化と、それほど離れていないと私は思っています。立場に上下はない。マナーを守る。そういったことを気にとめておけば、問題ないと思います。そして、スタッフから注意を受けるようなことがあれば、素直に従ってください。そういったルールの場に参加しているということを頭に置いておけば、大きなエラーはないと思います。

サークル・新刊情報の募集

 CodeZineの読者の方から、自薦他薦を問わないので、技術本やマニアックなソフトやハードを出すサークルさんの新刊情報を募集します。次のフォームから奮ってご投稿ください。

(編注:投稿いただいた情報は、編集部にて積極的に公開していきたいと考えておりますので、2014年12月19日ごろまでにいただけると幸いです)

おわりに

 記事は以上です。技術系の情報は、出版社の本やネット以外にも、同人誌即売会でも手に入れることができます。普段、そういったイベントになじみのない方も、こういった機会にそういった同人誌に触れてみるのは、いかがでしょうか。

 今回は、2014年の冬コミに焦点を当てて書きましたが、コミケは毎年、夏と冬の2回開催されています。興味があれば、足を運んでみることをおすすめします。

参考資料

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この記事の著者

柳井 政和(ヤナイ マサカズ)

クロノス・クラウン合同会社 代表社員http://crocro.com/オンラインソフトを多数公開。プログラムを書いたり、ゲームを作ったり、記事を執筆したり、マンガを描いたり、小説を書いたりしています。「めもりーくりーなー」でオンラインソフト大賞に入賞。最近は、小説家デビューして小説も書いています(『裏切りのプログラム』他)。面白いことなら何でもOKのさすらいの企画屋です。 

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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https://codezine.jp/article/detail/8346 2014/12/25 15:40

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