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システム環境の明後日を支える新技術

モノのインターネット(IoT)の不都合な真実

システム環境の明後日を支える新技術/番外編(1)

カジュアルにIoTを楽しむ

 前述のようにIoTといっても、それを構成する機器および通信コストの考え方は産業ごとに千差万別です。では、もっとも気軽にカジュアルにIoTを楽しむには、これから何が必要かをみていきましょう。

 前述の「私たちと機器をつなぐデータ通信規格」では、ご家庭における通信環境を整理しました。賢明な読者の方であれば、ここで「あれ?」と気づかれていたかもしれませんが、カジュアルにIoTを楽しむヒントがここに隠されていました。それは「もしも、無線LANルーターがBluetooth対応していたなら……」というところです。

 本稿でご説明したとおり、私たちが普段使いするセンサデバイスのほとんどすべてがBluetoothに対応しています。しかし、私たちが使う無線LANルーターには「まだ」柔軟にBluetoothデバイスと通信する機能が備わっていません(図7)。

図7. 無線LANルーターとBluetoothの関係性
図7. 無線LANルーターとBluetoothの関係性

 しかし、さらに賢明な読者の皆さまであれば「そんなに簡単なことじゃない」とご理解いただけるでしょう。仮に無線LANルーターがBluetooth対応したとして、すべてのBluetoothデバイスと連携しつつインターネット上のサービスへデータ通信できるわけではないのです。

 ちょうど1年前、筆者は『IoTの市場性と、IoTを取り巻く最新技術動向』を書き上げた段階で、いずれ出てくるであろう「Bluetooth対応の無線LANルーター」を注意深くリサーチしていました。似たような概念のモノや、Bluetooth/Wi-Fiゲートウェイと呼ばれる製品は確かに存在はしているのですが、日本国内のご家庭において普段使いできるような製品は、残念ながらまだ出てきていません。

 そこでもう一つ生まれたアイデアが、図8のカジュアルにIoTを楽しむために必要なデバイスの整理です。

図8. カジュアルにIoTを楽しむために必要なデバイスの整理
図8. カジュアルにIoTを楽しむために必要なデバイスの整理

 BluetoothとWi-Fiに対応したデバイスは、なにもIoTゲートウェイやスマートフォンだけではありません。私たちの身近なところには、すでにBluetoothとWi-Fiに対応して独自アプリケーションを開発できる環境があるのです。それは、Apple社のiPod TouchやiPad、Androidタブレット、これからリリースされるMicrosoft社のWindows 10端末、UbuntuやFirefoxなど新興系の端末やタブレットなど、実にたくさんの機器があふれているではありませんか。

 図3(現在入手可能なBluetooth対応センサーおよびBluetooth/Wi-Fi対応端末の例)でご紹介したスティック型Android端末は、国内の技術基準適合証明を受けていませんが価格帯は1万円を切り、その他SIMフリーのスマートフォンでも1万円付近まで価格の下落が見られます。

 近い将来、これら安価なBluetooth/Wi-Fi対応端末を介して、カジュアルにIoTを楽しむアプリケーションやセンサーデバイスが多数出てきてくれるならば、なんと世界は楽しいだろうと思うばかりです(一人の個人として)。

 最後に、IoTに取り組もうとする企業に必要とされる心構えについて、M2Mなどの先行事例から解説していきましょう。

次のページ
IoTに取り組むということ

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この記事の著者

松本 直人(マツモト ナオト)

1996年より特別第二種通信事業者のエンジニアとしてインターネット網整備に従事。その後システム・コンサルタント,ビジネス・コンサルタントを経て2010年より,さくらインターネット株式会社 / さくらインターネット 研究所 上級研究員。(2016年より一時退任)研究テーマはネットワーク仮想化など。3~5年先に必要とされる技術研究に取り組み、世の中に情報共有することを活動基本としている。著書: 『モノのインターネットのコトハジメ』,『角川インターネット講座 ~ビッグデータを開拓せよ~』など多数。情報処理学会 インターネットと運用技術研究会 幹事

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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