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システム環境の明後日を支える新技術

モノのインターネット(IoT)の不都合な真実

システム環境の明後日を支える新技術/番外編(1)

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 ちょうど1年前、『IoTの市場性と、IoTを取り巻く最新技術動向』として形成初期段階の「モノのインターネット(IoT:Internet of Things)」をご紹介しました。あれから1年たちますので、今回は国内市場でもキーワードをよく聞くようになってきたIoTの「今」を再確認していきましょう。

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バズワードになっているIoTのほんとのところ

 調査会社やマーケティング会社からは、大変大きな市場であるとIoTは叫ばれています。しかし、その調査推計の根拠となる数値は、各調査会社により異なっています。ただ、ほとんどの調査会社が、市場予測のために計上している項目があります。それは私たちの社会生活を支えるさまざまな機械から得られるセンサーデータの収集です(図1)。なお、下図中の「テレメトリング」とは、通信技術を用いて計測器などを遠隔地から読み取る技術です。

図1. IoT市場を形成する項目と技術的な認知
図1. IoT市場を形成する項目と技術的な認知

 こちらも以前に紹介しましたが「モノのインターネット(IoT)」と呼ばれ、あたかも新しい市場が急激に作られていっているようにみえますが、その内容はとても古い歴史を持つ市場なのです。「インターネット家電」「IPv6家電」「すべての電球にIPアドレスを!」「ペットに携帯端末を!」「M2M(Machine-to-Machine)」「電子カルテ」「電子タグ」など、思い出せば頭痛がしてくるほど、たくさんの新規参入への取り組みがありました。

 こちらも1年越しで繰り返しとなりますが、こういった古い歴史を持つ市場なので「新規参入は、市場を間違えると旧来の競合他社との熾烈な競争」となる点にご注意ください(図2)。

図2. IoTにおける成長分野と参入障壁を考慮した市場性メモ
図2. IoTにおける成長分野と参入障壁を考慮した市場性メモ

 古い話題ばかりしていても面白くありません。次に、私たちはカジュアルにIoTをどこまで楽しむことができるようになったかをみていきましょう。

 図3は現在入手可能なBluetooth対応センサーおよびBluetooth/Wi-Fi対応端末の例です。TI社から出ているセンサーでは、赤外線および周囲温度センサ、周辺光センサ、加速度計、ジャイロスコープ、コンパス、9軸モーショントラッキングデバイス 、湿度センサ、大気圧センサ、磁気センサを搭載し、Bluetoothを介してスマートフォンやBluetooth/Wi-Fi対応端末との間でデータ通信が行えます。Intel社のEdisonやスティック型Android端末はBluetoothやWi-Fiを介してさまざまなセンサーや端末とデータ通信が行え、さらに独自のアプリケーションやネットワーク接続を望むままにプログラミングできる環境が整っています。

図3. 現在入手可能なBluetooth対応センサーおよびBluetooth/Wi-Fi対応端末の例
図3. 現在入手可能なBluetooth対応センサーおよびBluetooth/Wi-Fi対応端末の例

 過去と大きく異なる点は、こういった以前は「組込み系の工業製品」でしかできなかったことが、よりカジュアルで安価なデバイスとして世界中に流通し始めたということでしょう。

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この記事の著者

松本 直人(マツモト ナオト)

1996年より特別第二種通信事業者のエンジニアとしてインターネット網整備に従事。その後システム・コンサルタント,ビジネス・コンサルタントを経て2010年より,さくらインターネット株式会社 / さくらインターネット 研究所 上級研究員。(2016年より一時退任)研究テーマはネットワーク仮想化など。3~5年先に必要とされる技術研究に取り組み、世の中に情報共有することを活動基本としている。著書: 『モノのインターネットのコトハジメ』,『角川インターネット講座 ~ビッグデータを開拓せよ~』など多数。情報処理学会 インターネットと運用技術研究会 幹事

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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https://codezine.jp/article/detail/8770 2015/06/25 14:00

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