Ruby on RailsのコミッタであるJosé Valim氏は、Erlangの仮想環境であるBEAM上で動作する、オープンソースの関数型言語「Elixir v1.2」を、1月3日(現地時間)に公開した。
「Elixir v1.2」では、新たにErlang 18に対応した機能として、マップにおけるキーのスケーリングを可能にしており、これにともなって将来的にモジュールにおけるDictおよびHashDict、MapSetにおけるSetおよびHashSetの廃止を予定している。また、コンパイル時間の15%高速化や、ErlangのコンパイラによるDialyzerの誤った警告の削減を実現した。
言語仕様面での変更としては、複数の宣言を一括して行えるようにしたalias、マップキーにおけるpin演算子を併用したパターンマッチングに対応した変数のサポート、より簡潔にコードを記述できるようにするwithなどを新たに追加している。
さらに、アプリケーションへの設定、管理ツリー、初期化サイクルの搭載によって、必要に応じて個別のアプリケーションを隔離された環境で動作またはテスト可能にする「Umbrella Projects」の一環として、「Elixir v1.2」ではUmbrellaアプリ間での同じビルド設定ファイルの共有に対応しており、コンパイル時間の削減と、ビルド設定の省力化を実現した。
このほか、多数の機能追加やバグフィックスを行うとともに、ErlangのビルドツールであるRebar 3にも対応している。
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・Elixir(英語)
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