2大要求「リリーススピード」「信頼性」に応える仕組みを「Parasoft DTP」で実現
「開発現場のための定量分析運用環境のご提案」と題したテクマトリックスのセッションでは、同社ソフトウェアエンジニアリング技術部の渡辺征一氏が登壇。
市場から求められる「リリーススピード」と「信頼性」という2大要求に応えるために、企業はさまざまな努力をしているが、それに応えることができず、むしろ犠牲にしていることもたくさんあると渡辺氏は語る。特にソフトウェアの開発現場においては、問題を早期に発見できないためにシステム規模に比例してバグの修正コストが高いという問題があるという。
そこで全体を総合的かつ客観的に状況判断するために必要となるのが定量分析だ。定量分析の成功事例として紹介したのが、日本酒造りの職人である杜氏がいないという旭酒造。人気の純米大吟醸「獺祭(だっさい)」の蔵元である。ここでは徹底した数値管理を行い、専門家(杜氏)に依存したチームからの脱却を実現した。
旭酒造だけではない。多くのソフトウェア開発会社でも問題発生を早期に解決するため、定量分析の必要性に気付いているという。だた、その分析のためにツールを導入したのに、効果が見えない企業が多いのでは、と指摘する。その大きな要因は「分析に時間がかかり、開発現場へのフィードバックが遅くなったり、分析結果が分かりにくかったりするため、定量分析の有用性を疑ってしまう雰囲気を現場に植え付けてしまっていること」と渡辺氏は言う。つまり定量分析で効果を得るためには、「分析結果を開発者にリアルタイムにフィードバックでき、誰でも理解しやすい形で閲覧できるように共有化できる仕組みを作ること」と渡辺氏は強調する。
それを実現するのがテクマトリックスの「Parasoft DTP」である。Parasoft DTPであれば、C++testはもちろん、その他ベンダーの解析ツールや、Redmineなどのタスク管理ツール、git、Subversionなどの構成管理ツール、JenkinsなどCIツールなどの情報を一元管理し、収集されたデータを専用のダッシュボード上ですぐに一覧することが可能だ。
さらに収集された複数のデータを、Parasoft DTP独自の分析エンジン「PIE」で分析し、開発におけるさまざまな課題をすぐに把握することができる。例えば、プロジェクト管理ツールとバグ管理ツール、静的・動的解析ツールから得られたデータを基に、開発現場においてどの工程でバグが埋め込まれやすいかを見える化することも可能だ。
「評価用スターターキットもあるので、静的解析ツールを持っているか否かにかかわらず、試すことができる。ぜひこの機会に効果を実感して欲しい」と語り、セッションを終了した。
静的解析、単体テスト機能をさらに強化した「C++test」新バージョンを紹介
最後に、同社ソフトウェアエンジニアリング営業部の橘祐史氏より「C++test」の新バージョンの紹介も行われた。
今後、リリースが予定されているVer.9.6では、静的解析機能を拡張。コーディングルールは200種類以上追加され、合計2000種類に。単体テスト機能も拡張され、テストケース生成用の新GUI「Test Case Editor」の追加と、スタブ機能の強化が行われた。Test Case EditorではGUIを使ってテストパターンの作成とスタブの制御ができるため、単体テスト時の最大の課題であった「テストケースのコーディング作業」を行う必要がなくなる。さらにスタブ機能の強化では、スタブ動作の詳細な定義ができる上、スタブ化したメソッドの評価機能も搭載している。
同時リリース予定で、Ver.9.6との並行販売を予定しているVer.10.2では、クリティカルなバグの検知に最も効果を発揮する「静的フロー解析機能」が大幅に強化され、従来の2倍の種類のバグが検出可能になる。さらに、新しいアーキテクチャを採用し、Parasoft DTPと連携を実現。この連携により静的解析、動的解析における進捗状況が可視化できる上、ウィジェットから詳細情報へのドリルダウンができるようになる。これにより、静的解析違反の詳細内容の確認や担当者アサイン、優先度付けなども容易になる。最後に橘氏は「静的解析を重視するなら、静的フロー解析が強化されたVer.10.2がおすすめ」と紹介し、セミナーは終了した。
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製品についての詳しい情報は下記ページからご覧ください。ここでは紹介しきれなかった機能や活用例などもご紹介しています。