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クラウドインテグレーションの旗手・テラスカイが語るこれからのクラウド開発と新市場とは

価値を生む開発に集中しつづける現場インタビュー【第2回】

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2016/04/14 14:00

 テラスカイ社は、Salesforceを中心としたクラウド上の開発と連携に特化した「クラウドインテグレータ(CI)屋」という看板を掲げ、クラウド開発の普及に努めてきた一社である。当初は理解されにくかったクラウドも、今ではSAPなど大規模ERPすら移行先になる状況だ。そうした時代に、開発者はどのような技術を身に付ける必要があるのか。テラスカイ 取締役執行役員 ソリューション本部 本部長 今岡純二氏と、同ソリューション本部 技術推進チーム ソリューションスペシャリスト 讃岐 行氏に、同社の取り組みや展望とともに聞いた。

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クラウドとの出会いで開発に対する考え方が変わった

――お二人はどのようにクラウド開発者としてのキャリアをスタートしたのですか?

今岡:クラウドに初めて触れたのは前職時代、2004年ごろだった[1]と思います。当時、私は業務用Webアプリケーションの開発などをやってたんですが、インフラチームとの調整など、開発する前にやらなきゃいけないことがたくさんあって、とても面倒に感じていました。調整事に時間を費やすよりも、できるだけエンドユーザーであるお客様と接して、何を作りたいかの話ができたほうがやっぱりいいじゃないですか。

 そんなときに触れた初めてのクラウドというのが、現在も弊社で主要開発プラットフォームとしているSalesforceでした。衝撃を受けましたね。Salesforceプラットフォームはサーバーの立ち上げなどが不要なのでインフラチームとの調整事もなく、開発に集中できるとわかったんです。それと同時に、アプリケーションを手作りで一から構築するのはもう違うんだなって。

 また、現在とほとんど変わらないSOAP APIを当時から備えていて、外部システムとの連携がスムーズに行えることもできました。基幹システムと連携するためのデータローダを自作できるなど、開発側の自由度がちゃんと確保されていたわけです。そうした点もすごいなぁと。

テラスカイ 取締役執行役員 ソリューション本部 本部長 今岡純二氏
テラスカイ 取締役執行役員 ソリューション本部 本部長 今岡純二氏

讃岐:私がクラウドに初めて触れたのは26歳くらいだったのですが、そのころは社内にこもり、COBOLやPL/Iといったいわゆるレガシーなシステムをリバースエンジニアリングするツール製品を、C言語などでゴリゴリ作ったりしていました。そうしているうちに、「ノーコーディングでアプリケーションを構築できるASPみたいなサービスがあるから、そういうのをやってみないか」と前職の会社に誘われて。それがSalesforceだったわけです。

 お客様の要望に対し、その場でアプリケーションのプロトタイプを作って、「こうですか?」と確認できるというところに魅力的に感じましたね。その場で開発できたりとか、次の打ち合わせでもう実際に動くものができあがっていたりすると、お客様からとても良い反応をいただけますし。

テラスカイ ソリューション本部 技術推進チーム ソリューションスペシャリスト 讃岐 行氏
テラスカイ ソリューション本部 技術推進チーム ソリューションスペシャリスト 讃岐 行氏

――実際に動くプロトタイプを見せることができると、エンドユーザーさんとのやり取りに効果がありそうですね。

讃岐:お客様にしてみても、実際に動くものがあるというのは、できあがったときにイメージとのギャップが少なくなるのでメリットがあると思います。

今岡:以前参画したプロジェクトでは、週1回のミーティングでお客様に動くものを見せていました。あとはメールなどを使いながら、できたところを見てくださいみたいなスタイルですね。クラウドなのでインストールなどがいらないため、お客様へのチェック依頼も「見てください」とメールで伝えるだけで済みました。

讃岐:プロトタイプというか、アプリケーションの基礎部分の開発はお客様が行うケースもあります。お客様側で画面などをある程度Salesforceの標準機能で作っていただき、不足している機能や裏側の独自ロジックを我々が開発するという形です。

 Salesforceの良さとして、プログラムがわからない人、エンドユーザー自身でもカスタマイズできるところがあると思うんです。実際、ご自分でカスタマイズしてみるお客様って多いんですよ。カスタマイズしてしまったために、我々が作ったプログラムが動かなくなってしまうケースもあります(笑)。

 プロトタイプにとどまらず、お客様自身がSalesforce上で開発できるようになることは1つの理想形です。我々もお客様のご要望にかなう開発をしようと努力していますが、それでも結果に齟齬が発生することがあります。やりたいことが一番わかっているお客様がご自身で機能を作れると、そうしたことはありませんから。

今岡:あと、Salesforceでうれしかったのは、当初からセキュリティコントロール機能が提供されていたことです。「誰がどのデータにアクセスできて、どこまで見られるのか」は、業務アプリケーションで必ず出てくる要件ですからね。とはいえ、会社やシステムが異なっても、セキュリティコントロール機能の違いはわずかなもの。Salesforce上で開発する以前には、そうした似て非なるものの量産に時間を取られていました。

讃岐:Salesforceにはロールやプロファイルなど、エンドユーザー単位でデータアクセス範囲を限定する機能が最初から実装されています。こうした業務アプリケーションの標準的な機能って、それを一から自分で作るっていうのはナンセンスじゃないでしょうか。Salesforceはそうした機能をたくさん持っているので、そういうところを使うとアプリケーションの開発生産性がずいぶん高まると思います。

[1]: Amazon Web Servicesの公開は2006年7月、「クラウド」という言葉が最初に用いられたのは、2006年8月に米国サンノゼ市で開かれた「サーチエンジン戦略コンファレンス」におけるGoogle社エリック・シュミットCEO(当時)の発言の中だとされるから、かなり早期に体験したことになる。

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