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価値を生む開発に集中しつづける現場インタビュー(AD)

「エンドユーザー自らシステムを構築する時代」を卓越したJS技術で現実化するマッシュマトリックスのクラウドサービス

価値を生む開発に集中しつづける現場インタビュー【第4回】

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システムの調達・構築にITエンジニアを介さなくてもよくなってきている

――セールスフォースは1年ほどで退社され、現在経営されているマッシュマトリックスを設立されました。それはなぜだったんですか?

冨田:先ほど述べたように、業務に使われるシステムは、これからエンドユーザーの主導で構築されていくという流れを感じていました。それを推し進める、いわば布石となるアプリケーションやサービスは、僕から提供できるのではないかと考えたんです。大勢のユーザーさんが共通で欲している機能はセールスフォースに提供していただき、僕は業務に使うシステムを個々のエンドユーザーさんが自分で作れる環境を提供する。この組み合わせは、社会にいい影響を与えるに違いない。そう考えたのが起業のきっかけですね。

――やはり、エンドユーザーが使いこなせる環境の提供が柱なんですね。

冨田:僕がそう思っているというよりも、客観的な事実として、システムはボトムアップ的に作られるようになってきている気がするんです。エンドユーザーや業務部門が積極的に主導していて、例えばSalesforceの導入でも、営業さんなどが「これ必要だよね」といっていつの間にか使っている。システムの調達や構築に、IT部門やSIer、専門家などを介さなくてもよくなってきてるんですよ。実際に業務を行っている人が目利きして導入する。

 クラウドの普及がこうした傾向を強めていますが、最も顕著だなと思ったのはモバイルアプリです。今はもう、業務の効率化をスマホの中で済ませてしまう時代です。業務に必要なアプリを自分で見つけてきてインストールする。そうして業務を効率化している人が周囲の人に「このアプリ、いいよ」といって勧める。それが連鎖して「営業のメンバー全員が使っています」となり、「じゃあ、会社で購入して全社的にやりましょうか」となる。そういう流れはもう、少なからずあると思うんですよね。

――システムを「作る」だけでなく、アプリを「選ぶ」こともエンドユーザーにとってはシステム構築であると。

冨田:ええ。ただし、現在選べるのはGoogleの各種サービスなど、パブリックに開発・提供されているものばかりです。エンタープライズ系のアプリケーションに対応したものはほとんどありません。Salesforce向けアプリも多いとはいえませんが、サードパーティが開発し提供することは比較的簡単です。

 簡単である理由の1つは、SalesforceがOAuthという、APIへのアクセスを認可するときに使われるプロトコルに対応していることです。OAuthは「自分はこのサービスにアクセス権限を渡しますよ」という処理を手順化しているようなプロトコルです。Salesforceはエンタープライズ系のサービスにしては比較的早くから対応しています。

 また、もう1つの理由は「Salesforceにどういうデータが入っているか」という情報がメタデータとして整備されている点にあります。メタデータを読み取ることにより、いつどの端末からアクセスしても同じように利用できるアプリやサービスを構築できるからです。弊社が提供している「Mashmatrix Dashboard」や「Mashmatrix Sheet」というサービスは、どちらもSalesforceのメタデータをフルに使っています。メタデータにより、ユーザーさんがSalesforceに保管しているデータを認識できるので、「これらのうち、表示するデータを選んでください」とプロンプトを出して尋ねることなどが可能になっています。こうしたプロンプトを作成するためのAPIが公開されていて、我々サードベンダが利用できるというところは、Salesforceのユニークな点だと思います。

Mashmatrix Dashboard
Mashmatrix Dashboard
Mashmatrix Sheet
Mashmatrix Sheet

イメージは執事のような自分専用サービス

――ちなみに、Salesforce以外のクラウドサービスを利用されることがあるのですか?

冨田:ええ、AWSを使っています。ただし、EC2は使わないですね。それならHeroku[2]を使いますし、EC2って結局仮想マシンのサービスですから、ある意味、将来性を感じないんです。僕が将来性を判断する基準は「あらゆる人が1つはそのサービスを使う状態になりうるかどうか」です。仮想マシンであるEC2を、全世界の人が少なくとも1つは使うなんてありえないじゃないですか。一方で、AWS Lambdaは全世界の人が1つは利用することがあり得ると思っています。

 クラウドサービスに抱いているイメージ、特にスマホなどのモバイルアプリから利用するサービスのイメージはやっぱりユーザーが主体です。ユーザーが「これやりたい」と言ったら、ささっと解釈してやってくれる自分専用のサービス。これは、AWS Lambdaのようなイベント駆動で動くシェアリングリソースがあれば実現可能だろうと思っています。そうなれば、誰もが1つずつAWS Lambdaあるいは同様のシェアリングリソースを利用する世界もあり得るわけです。

[2]: 米Salesforceが2010年に買収したPaaSクラウド。JavaおよびJVM上で動作する言語、RubyとRails、Node.js、Pythonなどを使ってアプリケーションを開発できる。

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CodeZine編集部(コードジンヘンシュウブ)

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