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ClickHouse日本法人設立──AIデータ基盤とLLMオブザーバビリティ基盤「Langfuse」を国内提供開始

AI時代の大規模リアルタイムDBが日本に本格参入

 ClickHouseは2009年にAlexey Milovidov氏が開発したカラム指向データベースをルーツに持ち、2016年にオープンソース化。2021年に会社を設立して以来、現在3,000社以上の顧客を抱えるまでに成長した。顧客の半数以上が米国外であり、従業員数は500名から今年中に1,000名超を目指す。資金調達額は累計10億ドルを超えている。

 Katz氏は「3〜5年以内に日本はグローバルトップ3市場になると予測した」と述べ、AWSやGoogle Cloud、Azure、さらにオンプレミスまで含めた積極的な投資を約束した。

左からYury Izrailevsky氏、Aaron Katz氏、Alexey Milovidov氏
左からYury Izrailevsky氏、Aaron Katz氏、Alexey Milovidov氏

 日本法人設立の支援を担うJapan Cloud 代表取締役社長の福田康隆氏は、SalesforceやPagerDutyなど19社の日本展開を手がけた知見を持ち、「AI時代に圧倒的なリアルタイム処理能力を持つClickHouseは間違いなく不可欠な存在になる」と評した。

Japan Cloud 代表取締役社長 福田康隆氏
Japan Cloud 代表取締役社長 福田康隆氏

 Milovidov氏はClickHouseのビジョンを「高速性こそが機能だ(Speed is a feature)」と表現し、「遅いと感じたら翌日には最適化する」と語った。Izrailevsky氏はGoogle、Netflix、Yahooなどでの経験を踏まえ、「データはリアルタイムで動かせなければ価値がない。AI時代には大規模かつ即時のアクセスが不可欠だ」と述べた。顧客事例としては、Teslaが毎秒10億イベントをClickHouseに取り込み品質管理に活用、Netflixが毎日6ペタバイトのデータを投入、Trip.comがクエリ速度を最大30倍改善した事例が紹介された。

ClickHouseデータプラットフォームのアーキテクチャ
ClickHouseデータプラットフォームのアーキテクチャ

日本参入の理由と2つの新発表──HOUSE MATESとLangfuse Cloud

 代表取締役社長の金古毅氏は日本市場への本格投資を決めた理由を3つ挙げた。米国に次ぐ世界最大級のエンタープライズIT市場であること、製造・モビリティ・IoTなど「世界一の高品質な現場データ」が存在すること、そして国内AIインフラ投資が2026年に8,000億円規模に達するとされる「AIが検証から実装に移る臨界点」にあることだ。日本の顧客にはマツダ、LINEヤフー、楽天、フリー、さくらインターネットなどの名前が挙げられた。

ClickHouse株式会社 代表取締役社長 金古毅氏
ClickHouse株式会社 代表取締役社長 金古毅氏

 今回の新発表は2つだ。1つ目はパートナープログラム「HOUSE MATES」の立ち上げで、サービスパートナー・チャネルパートナー・テクノロジーパートナーの3分類を設け、アクセンチュア、クラウドエース、伊藤忠テクノソリューションズ(CTC)、NTTデータなど7社との連携を発表した。販売実績や資格認定数に応じてPRIME・ACCELERATE・IGNITEの3ティアが設定される。2つ目はLLMオブザーバビリティプラットフォーム「Langfuse Cloud」の日本提供開始だ。AIエージェントやLLMアプリケーションの挙動を監視・評価・改善するためのツールで、ClickHouseの高速分析エンジンと組み合わせることでリアルタイムなAI運用監視を実現する。

マツダは2018年から採用で障害ゼロ、フリーはLLMオブザーバビリティ基盤を構築

 ユーザー事例としてマツダとフリーが登壇した。マツダ MAXプロジェクト室リーダーの吉岡正博氏は、600万件/秒という検索性能に着目して2018年にClickHouseを採用した経緯を説明した。「障害はこれまで一度もない」と述べ、製造現場のデータ分析に活用していると紹介した。

マツダ株式会社 MAXプロジェクト室リーダー 吉岡正博氏
マツダ株式会社 MAXプロジェクト室リーダー 吉岡正博氏

 フリー株式会社のSRE 鈴木嘉恵氏は、「Done for You(AIエージェントが業務をやっておきました)」を目指すAI戦略のもと、Langfuse v3をLLMオブザーバビリティプラットフォームとして採用し、ClickHouse Cloudと組み合わせた事例を紹介した。領収書を撮るだけで経費申請が完了する「まほう経費精算」では申請時間が30分から2分に短縮された。Langfuse採用の理由として、セルフホストで機密データを安全に管理できること、SAML SSOやAWS PrivateLinkによるセキュリティ要件を満たせることを挙げた。導入後はハルシネーション検出やタスク遂行率の定量評価、LLMコストのプロダクト別把握が可能になったという。

フリー株式会社 SRE事業部 SRE部 鈴木嘉恵氏
フリー株式会社 SRE事業部 SRE部 鈴木嘉恵氏

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この記事の著者

近藤 佑子(編集部)(コンドウ ユウコ)

株式会社翔泳社 CodeZine編集部 編集長、Developers Summit オーガナイザー。1986年岡山県生まれ。京都大学工学部建築学科、東京大学工学系研究科建築学専攻修士課程修了。フリーランスを経て2014年株式会社翔泳社に入社。ソフトウェア開発者向けWebメディア「CodeZine」の編集・企画・運営に携わる。2018年、副編集長に就任。2017年より、ソフトウェア開発者向けカンファレンス「Developers...

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