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BtoBスタートアップの一番の課題を解決!? フィンテック企業「MF KESSAI」がIBMと組む理由とは

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開発者のお悩みを聞く「デベロッパー・アドボケイト」の誕生

――「テクノロジーについて相談できる組織」とはどのような組織でしょうか。

荒川 IBMでは、「デベロッパー・アドボケイト」というチームを昨年6月に立ち上げました。IBMのテクノロジーを使っていただくためには、エンジニアが日々何を考え、困っているかを把握することが大事だと考えたことが背景にあります。これまでのIBMは、製品、テクノロジーを売るための人材で構成されてきましたが、それではやっていけないと気付いたのです。

 そこで、世界10都市にデベロッパー・アドボケイトという組織を設置しました。同組織はグローバルチームとして動いており、お客様の問題に取り組む観点から、国境なくサポートしています。

及川 IBMにデベロッパー・アドボケイトのチームができたのはすごく良いですね。ユーザーニーズが多様化する中では、一つのソリューションだけ売っていればいいわけではありません。開発者と共に、一緒に切り開いて市場を作っていく、コ・クリエーションすることが大事になると思うからです。

 「当社のこの技術を使ってください」と自社の利益だけを考えるのではなく、市場そのものを拡げていく。今利用されている技術のパイをどれだけ奪うかではなく、市場を拡げることで、そのパイを10倍にも100倍にもできる。結果、IBMも成長できますからね。

誰も見つけていない領域を一歩ずつ切り開いていきたい

――及川さん、荒川さんは、MF KESSAIに対してどんな期待を抱いていますか?

及川 自分たちのやることに先駆者がいるとは思わないでほしい。過去のいろいろな経験を参考にしつつも、自分で考えて切り開いていくことに覚悟が必要です。そのような思いで進んでいただきたいと思います。

荒川 世界はフラット化しており、すべてのスタートアップに大きな可能性があると再認識していただきたいと思います。テクノロジーは大きな投資や設備を持たないと使えないものではなくなりました。量子コンピュータでさえ、クラウドから簡単に使うことができる時代となりました。

 水道の蛇口はそこにあり、ひねるかひねらないかは、ビジネスモデルを考えるビジネスリーダーが握っているということです。どんどんいろんなことにチャレンジしていただき、私たちはそれをご支援したい。経験を積み上げていくことが価値なので、価値を考えて、どうやって形にしていくのか。これからの時代のビジネスで一番面白いところではないでしょうか。

――冨山さんは、お二人の言葉を聞いていかがでしょうか。

冨山 金融×テクノロジーはやりがいのある分野です。一方で、業法やテクノロジーとの関係において、総合的に力も求められます。MF KESSAIは既存の金融機関が提供できていないところにサービスを提供していくことが一番の価値。その誰も見つけていない領域を一歩ずつ切り拓いていきたいですね。

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この記事の著者

中村 仁美(ナカムラ ヒトミ)

 大阪府出身。教育大学卒。大学時代は臨床心理学を専攻。大手化学メーカー、日経BP社、ITに特化したコンテンツサービス&プロモーション会社を経て、2002年、フリーランス編集&ライターとして独立。現在はIT、キャリアというテーマを中心に活動中。IT記者会所属。趣味は読書、ドライブ、城探訪(日本の城)。...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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