スマートデバイスの普及により、エンドユーザーとのタッチポイントにおいてモバイル対応の必要性が高まってきた。この流れは、コンシューマー向けアプリはもちろん、WebブラウザやデスクトップPCでの動作が中心だった企業向け業務アプリにも広がっている。また、ソフトウェア開発に求められるライフサイクルも早くなっている。その状況において「どうすればスピーディーにモバイルアプリを開発できるか」の答えを多くの方が求めている。その最適解となり得るのが、富士通株式会社とアシアル株式会社の協業により実現した「MobileSUITE」と「Monaca」の組み合わせだ。これにより、エンタープライズのモバイルアプリ開発に必要な一通りの機能を提供できるという。両社の手組はなぜ実現し、どのような未来を描こうとしているのか。富士通株式会社の芝崎英行氏と陣内宏文氏、アシアル株式会社の塚田亮一氏に話を聞いた。
- MobileSUITE:富士通株式会社が提供するクラウド型のモバイル活用支援サービス。Web API群やフレームワーク、独自プラグインなどの機能によって、モバイルアプリ開発や業務システム連携を効率化できる。また、スマートデバイスを業務活用する際に必要となるIT管理者向けの各種管理機能や利用者向けの業務専用ポータルなどの機能を有する。
- Monaca:アシアル株式会社が提供するクラウドベースの開発プラットフォーム。HTML5とJavaScriptを用いることで、iOSとAndroidの両OSに対応したクロスプラットフォームなアプリ開発を実現する。
エンタープライズアプリ開発のトレンドは、パッケージからカスタマイズへ、PCからモバイルへ
――まず最近のエンタープライズのモバイルアプリ開発のトレンドについて聞かせてください。アプリをモバイル対応させるニーズも高くなっているそうですが、特にどういった業種で?
アシアル 塚田亮一(以下、塚田):かつて、エンタープライズアプリはパッケージ化された既成のものが用いられるケースが多かったです。しかし最近では、各社が自社の業務に特化したアプリをカスタマイズで開発するケースが増えてきています。
BtoBのビジネスにおいては、屋外での作業が多い業種で特にニーズが高くなっている印象を受けます。昇降機メーカー様などが良い例です。現場で作業をする社員の場合、オフィスにあまり戻りませんから、屋外で最低限の事務仕事ができるようアプリのモバイル化が進んでいます。
富士通 陣内宏文(以下、陣内):BtoCのビジネスでは、モバイルアプリを多機能にして利便性を高め利用率を上げたり、キャンペーン情報をプッシュ通知してマーケティング施策を実施したりするケースが増えました。これらの理由から、モバイルアプリ活用のニーズはどんどん高くなってきているのです。
――そうしたニーズが高まる中、最近のモバイルアプリ開発のトレンドはどのようなものでしょうか。
塚田:巨大なアプリを時間をかけてつくる開発スタイルは少なくなりました。特定の業務、目的に絞ったコンパクトなアプリを、短期間の開発サイクルで改善し続けるスタイルが主流になってきています。
「MobileSUITE」と「Monaca」の組み合わせが、シナジーを生む
第一開発部 マネージャー 陣内宏文氏
――その潮流の中、富士通とアシアルが連携し「MobileSUITE」と「Monaca」をワンストップソリューションとして提供したのはどのような理由からですか?
陣内:富士通が提供する「MobileSUITE」は、エンタープライズ向けのモバイル活用基盤です。バックエンドの業務システムとの連携に強みを持ち、モバイルアプリの実行や運用などに必要な一通りの機能をそろえていました。しかし、「アプリの開発環境」を提供しきれていなかったのです。
これまでは利用者に「好きな開発環境を使ってください」とお伝えしていました。ですがモバイルアプリ開発に慣れていないエンジニアの場合、そもそもどんな開発環境を選ぶべきか困ってしまうケースも多いです。
なんとかしてその環境を提供できないか思案していたところ、アシアル様の提供されているクラウドベースのモバイルアプリ開発プラットフォーム「Monaca」に出会いました。これを用いることで、お互いの強みを生かしてより統合的な機能を提供できるのではないかと考えたのです。
富士通 芝崎英行(以下、芝崎):アシアル様との協業は、弊社が主催するコミュニティ活動「K5 Tech Talk」がきっかけでした。これは、クラウド、AI、モバイルなどのデジタルビジネスを積極的に展開する企業様との連携を深め、ともにビジネスを創造していくことを目的に開催しているものです。そこで塚田さんとお会いしたことが出発点となりました。
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中薗 昴(ナカゾノ スバル)
週の半分はエンジニア、もう半分はライター・編集者として働くパラレルキャリアの人。現職のエンジニアとして培った知識・経験を強みに、専門性の高いIT系コンテンツの制作を行う。
※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です
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