Alibaba Cloudで構築する次世代分析基盤
データ分析基盤には、EDW(エンタープライズ・データ・ウェアハウス)の構築が欠かせない。だが、EDW構築にはエンジンに加え、ジョブのスケジューリング、データの処理基盤への転送方法、ジョブフローの設計などをどうするか、悩みがつきまとう。だが、これらの課題もAlibaba Cloudを使えば解決できる。Alibaba Cloudが提供している「DataWorks」を利用すると、ワークフローを直感的に設計でき、ジョブスケジューリングも容易に設定できるからだ。ではAlibaba Cloudを使うとどういったデータ分析基盤が実現できるのか。
ハー氏は実際のマイグレーション事例を紹介。過去のデータを費用対効果のあるストレージに格納し、データのアクセス頻度によりストレージクラスに分けるのである。分析が必要なデータはETLツールによって分析基盤へと転送する。
次にハイブリッドデータ分析基盤を構築する。データ整形はコスト対効果が高い処理基盤に任せ、整形済みのデータを高速に分析できるようオンメモリー系データベースを採用する。
データ分析や可視化については、Alibaba Cloudに用意されているBIやダッシュボードツールを活用すれば良い。
「中国のクラウドサービスというと、セキュリティは大丈夫」という声が聞こえるが、Alibaba Cloudはマルチテナント設計思想を採用しており、11レイヤーのセキュリティ構成を採用。「セキュリティ認証も受けており、安心して使える」とハー氏は言い切った。
IoT Platformをローンチ、気軽に活用できる料金設定
最後に井浦氏が登壇し、最近ローンチしたIoT Platformを紹介。アーキテクチャの概要は図の通り。SDKはJava、Python、PHP、.Netを提供。「他も随時提供していく予定」と井浦氏は説明する。通信規格はCoAP、MQTT、HTTPSをサポート。連携プロダクトも用意されている。
「IoT Platformを活用するメリットは、デバイスをつなげるだけで、すぐに使えるようになること。暗号化もサポートしている。99.9%の可用性を保障し、大量のデバイスをつなげることができる」(井浦氏)
簡単に使えるのもIoT Platformの特徴だ。IoT Platformコンソールを開き、プロダクトを作成。デバイスの作成画面で、エッジ側のデバイスの設定を作成し、ルールを作成する。あとは転送先を選定していけば良い。
「Data Processingもサポートしているため、SQL文を利用してデバイスからアップロードされたデータより、必要なパラメータの抽出ができる。クラウドサービス連携では、日本サイドではRDS、Table Store、Message Service、Function Computeと連携できる」(井浦氏)
Alibaba Cloudは価格設定も魅力だ。請求はメッセージの使用件数に応じて計算され、毎月最初の100万件までは無料となっている。
1つのメッセージは最大512byteで、超えた場合は複数メッセージとしてカウント。「100万メッセージで92円。デバイス管理1台あたり0.35円/日という、気軽に始められる価格設定となっている。ぜひ使ってほしい」
井浦氏は最後に会場の参加者にこう呼びかけ、セッションを締めた。
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