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当たり前を作れるテックカンパニーを目指す――DMM.com 松本勇気さんが語るCTOの仕事

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2018/12/10 11:00

目次

組織の改善を目指しGunosyのCTOへ

──Gunosyに入ったきっかけを聞かせてください。

 Labitという会社で時間割のアプリを作っていたのですが、そのプロジェクトが落ち着いてきたタイミングで誘われたんです。検索エンジンを作りたくて、Gunosyにいた友人に相談したら、飲みに誘われてうちに来ないかって。「行く!」と言ったら、翌月にはGunosyの席に座っていたというスピード採用でした。

 Gunosyに入社したのは大学4年の1月だったんですが、普通の就活は1度もしていなくて、インターンは1社だけ行ったくらいでした。大学3年の終わりに一度休学して、その間に一回フリーランスもやっているんですよね。フリーランスでも生きていける分は稼ぐことができるとわかったので、特に就活しなくていいやって思ったんです。最悪でも自分の力で稼いで生きていけるから、好きなことやろうって。Labitの次に何か面白いプロジェクト探さなきゃって思っていたところにGunosyと出会ったんです。

──Gunosyではどのようなミッションを担っていたのでしょうか。

 当時、このままではログ基盤が絶対に障害を起こすだろうと思い、データのログ収集基盤を作ってマネージ方法を見直しました。さらにそれをベースとしたKPIのマネージメントツールでダッシュボードも作ってました。その頃はRe:dash(リダッシュ)のようなダッシュボードツールがあまりなかったので、自分でイチから設計して作ってましたね。

 それが落ち着いてきたあたりで、iOSアプリを担当することになりました。コードベースを全て刷新して書き変え、そのiPad版も作りました。iOS版、iPad版を作ってからは、メジャーアップデートを何度も繰り返し、それに必要なサーバーサイドの実装も書いていました。クライアントサイドは、当初ほぼ1人でやってましたね。その頃はiOSの審査が1~2週間かかっていたので、審査が終わってリリースできたら即座に次のバージョンが提出できるように細かく管理していたら、結果としてスクラム開発として回っていたという感じです。

 そうしたメジャーアップデートなどを経た後は開発全体を見るようになり、プロダクトのグロースと開発全体の改善を行う役割も担うようになりました。Go言語を取り入れるなどパフォーマンスを上げるための取り組みもしていました。

 CTOになったのは2015年、Gunosyが上場する年でした。どの会社でもよくあることなのですが、上場するとどうしても一回組織の動乱期が訪れます。ユーザーと株主に向けて売上やユーザー満足などが組織目標の最優先になり、どうしても負担が大きいままマネジメントが未熟な状態で前に進んでいるからです。その中でもサービスを伸ばしながら、組織をより良くするというミッションでCTOというポジションを引き受けました。

新規事業や新技術への挑戦が自分の学びにもつながった

──Gunosyでの一番の学びはなんだったと思いますか?

 一番の学びは、サービスをちゃんとグロースして上場させるまでのさまざまな開発に携われたことです。サービスを成功させるためには開発組織のチームワークも大事ですし、数字を使ってサービスをどうやって改善していくか分析することも大事です。

──Gunosyでは新規事業も担当されていましたね。

 そうですね、ひとつ目はKDDIさんと連携したニュースアプリ「ニュースパス」の立ち上げを担当しました。Gunosyで得た学びを全部詰め込んで新しいサービスを作ろうと始まったプロジェクトで、iOSやAndroidの開発含め全体のプロジェクトマネジメントを担当しました。

 あと今はなくなってしまいましたが、バザリーというフリマアプリのキュレーションサービスも作りました。僕らの強みは「データを集めて正しく提示する」という能力だと思っていたので、そこをまずやってみようと。

 そのあとはブロックチェーンやVR/ARの可能性を探るR&Dチームも立ち上げています。その中でブロックチェーンが伸びそうだということで、LayerXという会社を立ち上げています。それと並行して、レコメンドのシステムをよりリアルタイムに実行できる、高速かつ大規模なリクエストに耐えられる新しい自社の推薦エンジンを作って、広告や記事に差し込むというプロジェクトを推進していました。

──Gunosy時代の松本さんの学び方は、どのようなものでしたか?

 事業での課題やミッションありきでひたすら試していました。VRなどは個人的に勉強していましたが、新規事業や新しい技術の挑戦もいろいろ体験できたので、Gunosyでの仕事で学んだことがほぼ自分自身の学びになっています。例えばGo言語を導入しようとかDockerを触ってみようとか。Go言語を導入したのも、サーバーサイドのパフォーマンスが足りなくなってきたのですが、今のコスト感を考えるとできるだけサーバーを小さくしたいなというときに、当時のRubyで実装されたサーバよりパフォーマンスが出しやすい言語が欲しかったからです。ゴールありき、課題ありきで、技術をずっと触り続けて、いろいろ試した中で、Go言語が最適だと判断しました。さっきの起業軸と同じでゴールありきで動けば、学びにつながっていくと考えています。


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著者プロフィール

  • 近藤 佑子(編集部)(コンドウ ユウコ)

    株式会社翔泳社 CodeZine編集部 編集長、Developers Summit オーガナイザー。1986年岡山県生まれ。京都大学工学部建築学科、東京大学工学系研究科建築学専攻修士課程修了。フリーランスを経て2014年株式会社翔泳社に入社。ソフトウェア開発者向けWebメディア「CodeZine」の...

  • 馬場 美由紀(ババ ミユキ)

     エンジニアとテクノロジーが好きな編集・ライター。エンジニア向けキャリアサイト「Tech総研」「CodeIQ MAGAZINE」、Web技術者向けの情報メディア「HTML5 Experts.jp」などでライティング、コンテンツディレクション、イベント企画などを行う。HTML5 開発者コミュニティ「h...

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