面白いサービスをつくるゲーミフィケーション10の要素
仲氏が所属するナノコネクトでは、独自研究によってゲーミフィケーション10の要素を導き出し、サービスやアプリの企画・設計段階から組み込んでいる。
このゲーミフィケーション10の要素の中から、面白さを伝えるために欠かせない要素が紹介された。本記事では、セッションで掘り下げられた3要素を解説する。
1つ目は「ファーストキャッチ」である。ファーストキャッチの目的は「サービスを知らないユーザに対し、基本的な使い方を教えてサービスの魅力を理解してもらい、ユーザ自身に使用継続を選択させること」である。
ナノコネクトが導き出したファーストキャッチのタイムリミットは160秒。その間にサービスの基本的な使い方を文章で説明するだけではなく、実際に「体験をさせること」、例えば「体験型チュートリアル」を組み込み、愛着を持ってもらうことが重要だ。さらに、今後サービスを続けていく上で重要なアイテムや情報をユーザに展開することで、「ここで終わるのはもったいない」と感じさせることも有効な手法のひとつである。
続いて、仲氏が面白さを伝えるために欠かせない要素として紹介したのは「平均ユーザレベル」だ。例として挙げた「ソースの絡まったスパゲティ」「秘伝のたれ」という言葉から、来場者に何を想像するか問いかけた。
デブサミの来場者は多くが開発者だ。そのため、「ソースの絡まったスパゲティ」や「秘伝のたれ」から連想されるのは「食べ物」ではない。仲氏は「このように、ターゲットユーザの知識レベルや習熟度等を踏まえた具体的なペルソナを設定し、サービス内での伝え方や機能調整の判断を行うことが必要です」と語った。
最後に紹介したのは、「ゴール設定」について。ゴール設定には「フロントゴール」と「ミドルゴール」の2要素がある。「フロントゴール」とは直近でユーザがとるべき行動を迷わないように配慮すること、いわば受動的な目標設定である。そこから徐々に能動的な「ミドルゴール」へ拡張させ、ユーザ自身に目標を設定させるように設計するのだ。
「指示ではなく、暗示するというのが重要です。指示は嫌がられますが、自分でコントロールしているかのように演出すると面白いと感じます。受動的な活動から徐々に能動的な活動へ拡張するようデザインすることで、継続利用やサービスへの愛着感を持たせることができるのです」
最後に仲氏は、このセッション自体にゲーミフィケーションが組み込まれていたことを明かした。仲氏が登壇してから冒頭3枚の画像を提示し終えるまでの時間が、まさに160秒であった。ちなみに、冒頭の3枚の画像の間違いは、1枚目はキャベツの中にレタス、2枚目は数字の9が混ざっていたが、3枚目は全て同じイラストだった。
ゲーミフィケーションが大いに活用され、会場を盛り上げた仲氏のセッション。次回の「Developers Summit 2019 KANSAI」でも開催される予定だ。興味のある方はぜひ参加されてはいかがだろうか。
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株式会社ナノコネクト