Mixed Reality(複合現実)とは
現実空間と仮想空間を混合することで、現実にあるものと仮想的に存在するものが影響しあう新たな空間を構築する技術。
- 講演資料(神戸デジタル・ラボ 堀尾風仁氏):APIを活用したフォントの使い方 ~MR(Mixed Reality)の実例紹介~
さまざまな場で活用される、モリサワのフォント
モリサワは、フォントに関連する製品やソリューションを開発・提供する企業だ。Web開発に携わる方なら、「モリサワのフォント」というフレーズを一度は目にしたことがあるだろう。同社の生み出すフォントが機能的、かつ美しいものであることは、多くの人が知るところだ。
同社が生み出したフォントは数え切れないほどあるが、中でも有名なものとして「UD書体」が挙げられる。誰にとっても見やすく読みやすいこと(ユニバーサルデザイン)を目指して開発されたこのフォントは、可読性に優れたものになっている。
「UD書体の利点は、文字の形がわかりやすいことです。例えば、『夏』という文字を他のフォントと比較すると、線と線との間の空間が広いのでフォントサイズを小さくしても読みやすい。また、はなれが明確なので、シルエットの似た文字も判別が容易です。多くの企業やサービスで、このフォントを採用していただいています」(モリサワ 相川氏)
同社が提供するフォント製品として有名なのが「MORISAWA PASSPORT」だ。これは、すべてのモリサワフォントをどれでも選べて好きなだけ使えるライセンス製品である。書籍や漫画、映画字幕、テレビのテロップなど、生活のありとあらゆる場所で、MORISAWA PASSPORT提供のフォントが活用されている。
そんな同社が提供するWebフォントサービスが「TypeSquare」である。これは、利用したいフォントをAPI経由で呼び出すことで、システムやアプリケーションに簡単に実装できるというものだ。
「TypeSquareでは、JavaScriptとフォント情報をモリサワのTypeSquareサーバーから配信します。それらの情報をユーザー側(クライアントサイド)で処理することで、あらゆるデバイスで意図したフォントが表示されるサービスとなっています。
使用方法はとても簡単です。JavaScriptを呼び出すためにTypeSquare用のscriptタグを差し込み、CSS情報としてfont-familyを書くだけ。 必要な文字のみ含むサブセット化されたフォントを配信することで、高速化を実現しています」(モリサワ 相川氏)
モリサワでは、TypeSquareをWebサービスだけではなく、他の種類のアプリケーションでも役立てたいと考えていた。そんな中、ある企業との出会いがその夢を実現した。関西で初めてマイクロソフト公式パートナー認定「MRPP(Mixed Reality Partner Program)」を取得した企業、神戸デジタル・ラボである。