対象読者
- 画面遷移に慣れていないAndroid初学者
- 画面遷移にstartActivityしか使ったことがないAndroid経験者
前提環境
筆者の検証環境は以下の通りです。
- macOS Mojave 10.14.3
- Android Studio 3.3.2
画面遷移らしくする
第1回で、簡単な画面遷移を作りました(サンプルコードの「FirstStep」プロジェクト)。あのサンプルには、残念なところがありました。ヘッダーのタイトルを変える方法がなかったことと、画面が横にスライドするような遷移アニメーションがなく、パッと切り替わってしまうことです(図1)。
ヘッダーのタイトルや遷移アニメーションは、アプリが現在提供している機能が切り替わったことを、視覚的にユーザーに伝える上では、とても有用なものです。アクティビティによる画面遷移であれば、自動で管理されていた部分でしたが、現在のナビゲーションアーキテクチャコンポーネントでは、自分で管理することになっています。
本記事ではこの2点を解決して、画面遷移らしい動きができるようにしましょう。
ヘッダーのタイトルを変更する(1)
Androidのヘッダーといえば ツールバー(Toolbar)です。従来は各アクティビティに配置することが多かったツールバーですが、ナビゲーションアーキテクチャコンポーネントの文脈では、そうではありません。
ナビゲーションアーキテクチャコンポーネントとツールバーを連携する場合は、アクティビティの中、 NavHostFragment
の真上に配置します(図2)。
アクティビティの主導で、 NavHostFragment
の中での出来事を検知して、ツールバーの状態を切り替えていく方式になります。実装済みのものをサンプルコードの「SecondStep」プロジェクトに配置したので、参考にしてください。
ツールバーを配置する
では、実装の仕方を解説します。まずは、 res/activity_main.xml
でレイアウトエディタを開きます。
パレットの Containers > Toolbar
にツールバーがあるので、これをコンポーネントツリーにドラッグ&ドロップで配置します。場所は、 ConstraintLayout
と fragment
の間( ConstraintLayout
内の一番上)です。
ただ配置しただけでは、既に画面いっぱいに広がる設定をしてあるフラグメント( NavHostFragment
)と重なってしまうので、調整が必要です(図4)。なお、 fragment_first_screen.xml
のプレビューが見えていますが、これはAndroid Studioが親切で見せてくれているだけで、ここでボタンのレイアウトを操作できるわけではありません。
ツールバーの位置としては間違っていないように見えるので、フラグメントの制約を調整しましょう。コンポーネントツリーやデザインエディタでフラグメントを選択すると、左下に制約を解除するボタンが現れるので、これをクリックして、フラグメントの制約を解除します(図5)。
解除したら、制約を付け直します(図6)。フラグメントの上端とツールバーの底を合わせ、他の辺は画面の外枠に合わせます。その際、マージンや layout_width
、 layout_height
が自動で設定されることがありますが、すべて 0
に設定してください。
同様に、ツールバーにも制約を付けます(図7)。こちらは上端、右端、左端をそれぞれ画面の外枠に合わせればOKです。
これで、レイアウトへのツールバーの配置はOKです。
ナビゲーションアーキテクチャコンポーネントのライブラリを追加する
次の作業に移る前に、追加でライブラリが必要になりますので、appモジュールのbuild.gradle(図8)を編集します。
すでに、 res/navigation/nav_graph.xml
を作ったときの手順で、 android.arch.navigation:navigation-fragment
の行が追加されていましたが、ここに、 android.arch.navigation:navigation-ui
の行を追加します(リスト1)。
dependencies { // 省略 implementation 'android.arch.navigation:navigation-fragment:1.0.0-beta02' // ↓この行を追加する implementation 'android.arch.navigation:navigation-ui:1.0.0-beta02' }
バージョンの部分(リスト1では 1.0.0-beta02
)は、 navigation-fragment
のバージョンと合わせます。
この編集が終わったら、Android Studioの右上の のボタンを押して、ライブラリをロードします。