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「noteの成長モデル」を支えたカイゼン戦略とは? 開発チーム作りとエンジニアリングへの挑戦【デブサミ2020】

【13-C-3】noteの決して止まらないカイゼンを支える、エンジニアリングへの挑戦

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2020/04/15 12:00

目次

noteのデータをどうグロースモデルに生かしていくか

 このようにグロースモデルを本格的に適用したことで急成長を遂げたが、2019年からは状況が変わってきた。noteのトラフィックが急激に伸び、多種多様なクリエイターや企業利用が増加。社内的にもエンジニアやデザイナーが倍増し、チームも増え、組織立ってきたタイミングでもあった。

 noteのサービスは世界観重視で、守っていきたいカルチャーや、打ち進めたい価値観・雰囲気が明快だ。施策の判断はその都度、定性的な要素で決めることが自然ではあったが、サービスもチームも大きくなってきたことで、データを活用して客観的に可視化し、優先順位を明確に決めるといったニーズが増えてきた。データを積極的に活用して、日々の改善に織り交ぜていこうという機運が高まってきたのだ。

 安心して創作ができる雰囲気は維持していくが、こうした施策は売上や投稿数、ユーザー数などのKPIを伸ばすという文脈には必ずしも乗らないことが多い。反面、データ中心でアプローチしていくと、全体から課題をブレイクダウンして、ひとつのところにフォーカスを決めて、一気に伸ばすことがやりやすい性質がある。

 しかも客観性が高いので、議論を進めたり、情報を整理したりすることが、チームのナレッジ、学びになっていくという大事な側面もある。

 そんな背景もあり、メルカリでデータアナリストチームを率いる樫田光氏が2019年半ばにグロース戦略顧問としてジョイン。一流のやりかたや進め方を一緒にプロジェクトを進めることで学び、定性・定量、どちらか寄りすぎないように、バランスを取って進めていこうということになった。

クリエイターの創作継続率を上げるデータ活用

 データを取るには、定義を議論して決めることも重要だ。例えば、「離脱した」「継続している」というのは、どういう状態を指すのか。ヘビー・ミドル・ライトに分けるとしたら、どの辺が境界なのかなど、議論する必要があった。

 樫田氏のリードにより、その議論の論点の提示や整理を行った。これまで概念的に判断していたことを、データを活用した施策決定や、全体感を見てロジカルにどこの数字がクリティカルなのかを判断するアプローチに変えていったのだ。

 データ収集は基盤チームがAWS上に構築。データをもとにした意思決定や、データアナリストや現場の担当者が取り出しやすいように基盤を整備した。

グロースモデルを定量的に判断できるように整理
グロースモデルを定量的に判断できるように整理

 樫田氏がジョインしてからのプロジェクトの例も紹介された。クリエイターの創作継続率を上げる施策だ。

 クリエイターをターゲットに決めた場合、ド新規のクリエイターもいれば、一回だけ投稿したことがあるクリエイター、もしくは昔は書いていたが書かなくなったクリエイター、自分では書かなくなったが他の人のnoteは読んでいる、読んでもいない完全離脱パターンなど、さまざまなタイプ分けができる。まずは、どこに注力するのがいいかを議論し、それを決めた上で仮説を立てた。

 書き始めたはいいが投稿まで至らない、例えば、エディタや下書き機能などのUX上の問題で離脱ポイントになっているのではないか──そんな仮説を立てて検証を試みた。しかし、データを取ってみたところ、案外そうでもないとわかった。

 さらに定性のアンケートなども交えつつ、調査していったところ、投稿した後の反応の有無が、どのタイプのクリエイターにも共通してクリティカルであることがわかってきた。クリエイターにとってうれしい反応は何か。実装や運用などの面も含め総合的に検討した結果、noteでは「スキ」と呼んでいるボタンをUX的につけやすく改良することになった。

 エンジニアチームやデザイナーチームと検討し、実装していった。その結果スキの数がかなり伸び、スキの総数が上がった。さらに、ひとつもスキがつかずにnoteが放置されるケースも減少した。

 「こうした課題設定や定義付け・仮説検証のプロセスを行い、データをもとに施策の決定や運用に生かすプロセスは、noteというサービスや利用者の特性、学びになる。チームみんなでディスカッションして、仮説を作って検証して、検討したりするので、この学びをチームでためて今後に生かす。データという客観指標が持つ強みだと思っている」(今氏)

さらなる「note」の成長のためにやっていくこと

 今氏は今後のnoteのサービス成長のために、グロースモデルの発展や運用は継続することはもちろん、「パフォーマンス課題の解消」「レコメンドの向上」を重点的にやっていきたいと語る。

 「2020年に入ってトラフィックもさらに増え、サービス基盤も大きくなっているので、フロント(Nuxt.js)・サーバーサイド(Rails)・インフラ(AWS)、どのレイヤーでもパフォーマンス上の深堀ポイントはかなり残っている。課題としては奥深くて、技術的には面白い」

 noteは書き手と読み手がいるマッチングサービスで、文章・マンガ・写真・映像といろんなフォーマットがあり、カテゴリもノージャンルでビジネス、ライフスタイル、BL、SFなど多種多様だ。レコメンドするには難しいサービスだが、機械学習を活用し、UI/UXでの施策をすることで、さらに成長させていきたいと、以下のまとめを挙げ、セッションを締めた。

お問い合わせ

 note株式会社



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著者プロフィール

  • CodeZine編集部(コードジンヘンシュウブ)

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