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SQLも使えるオブジェクトデータベース「CACHE'」を知る

第3回 Java開発 - JDBC/Java BindingとJalapeño

SQLも使えるオブジェクトデータベース「CACHE'」を知る 3


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Jalapeñoによる新しいアプリケーション開発

CACHÉによるPOJOのサポート

 Caché Java BindingによってJavaアプリケーション開発の労力は軽減されました。ただし、Javaオブジェクトを操作するためには、Cachéのオブジェクトモデルの知識が必須であり、Caché側での作業が必要です。開発者からJavaのみで開発を完結したいという要望もあり、最近特に注目されているのがPOJO(Plain Old Java Object)というシンプルで実行フレームワークなどへの依存性の少ないオブジェクトです。

 POJOの目的は、平凡なJavaクラスに永続性を与え、可能な限り元のクラスに手を加えず、すべての作業はJava側で行うということです。Cachéは、そうした時代の要求に対してJalapeño(JAva LAnguate PErsistense with NO mapping)テクノロジーという新しいコンセプトを打ち出しました。Jalapeñoは、Cachéスタジオを使わずに、どのようなJava開発環境でもオブジェクトクラスを定義でき永続性を与えることができます。Javaクラスとは独立しCachéによってアクセスメソッドが自動生成されるので、開発者はCachéを意識することなくPOJOを使うことができます。また、データを格納する方法について考慮する必要がありません。インターシステムズでは、このJalapeñoを「Cache-out(CachéからJava)」から「Java-in(JavaからCaché)」への変換と呼んでいます。

CACHÉによるPOJOへの永続性の与え方

 Caché内でPOJOに永続性を与えるには次の2つの方法があります。

POJO定義からCachéクラスを作成し、コンパイルする方法

 Jalapeñoは、Javaのクラス定義に基づいて、永続性のあるCachéクラスを生成・コンパイルする機能(スキーマビルダ)を持っています。開発者は、POJOのクラス定義において「アノテーション」を付加することにより、Cachéがオブジェクトモデルを構築する方法をコントロールできます。単純に、要求されるCachéオブジェクトモデルに対してメタデータを付加するだけです。開発者は、スキーマビルダによって生成されたCachéクラスを確認したり注意を払う必要はまったくありません。

Javaアプリケーション内にJalapeñoオブジェクトマネージャを組み込む方法

 Caché Java Bindingでは、CachéクラスがJavaのプロキシクラスに投影される場合は、永続化メソッドがJavaのアクセサメソッドに変換されます。それとは対照的に、JalapeñoではPOJOがアクセサメソッドを含むようには変換されません。その代わりに、Javaアプリケーションには、オブジェクトマネージャと呼ばれるエレメントを使用します。オブジェクトマネージャは、データベースの接続を確立し、対応するCachéクラスのインスタンスを作成し、アクセサメソッドを作成・実行させます。

 このJalapeñoは、開発者がCachéでアプリケーション構築をしなければならないといった制限をするものではなく、Jalapeñoによって開発されたJavaアプリケーションはRDB上でも動作します。

まとめ

 第3回では、CachéによるJavaアプリケーション開発のテクノロジーについて概要を説明しました。続く第4回・第5回は、最後に紹介したJalapeñoについて、アプリケーション開発例を含めて詳しく解説していきます。

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1997年の創立以来、一貫してPC/IT関連書籍、雑誌等記事の制作業務を手掛けるプロフェッショナル集団。翻訳・編集・DTPのほか、技術監修や著作も多数。

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