プロダクトマネージャーのスキルアップ
Q 未経験からプロダクトマネージャーに転職を希望しています。喜んでもらえるプロダクトを作りたい、そしてプロダクトから得られる利益をチームメンバーに還元したいといった思いからプロダクトマネージャーを目指していると面接官に伝えるのですが、「軸が弱い」などの指摘を受けます。プロダクトマネージャーを目指すには、最初から具体的な目的があるべきでしょうか。
曽根原:喜んでもらえるプロダクトを作りたいという気持ちは大切にしたいですが、もう一歩踏み込んでほしいと思います。
例えばスマホのアプリの中で一番好きなアプリについて、どこがどうよくできているのか、自分がプロダクトマネージャーならどういう風に改善したいと思うのか、といった視点で物事を見る癖をつけるとよいでしょう。書籍を読むと、きっとこんな視点が足りなかったということが浮き彫りになると思います。そういう経験を積み重ねることで、言葉に重みがつくと思います。リーンキャンバスを書くようにするのもおすすめです。
Q プロダクトマネージャーとしての知識で、グローバルのよさそうな情報を得る方法はありますでしょうか?
曽根原:Product Schoolのメーリングリストや、イベントに参加するのは最初の一歩としてよいと思います。あとは、AmplitudeやIterableといった企業がプロダクトマネージャー向けのグローバルイベントを年に1~2回やっているので、そうしたオンラインイベントに参加したり、スピーカーをLinkedInやTwitterでフォローしたり、という方法があります。あとAmazon USでプロダクトマネジメントに関する本を探すとたくさん出てきます。
及川:曽根原さんの回答に加えて、私はMediumやQuoraのプロダクトマネジメントに関係する記事を読んでいます。
Q お三方がHiring Managerとして新しくプロダクトマネージャーを採用する際には、どういったスキルや経験を重点的に見極めて質問されますか?
小城:私は採用はマッチングだと思っているので、プロダクトをもとにした議論をさせていただいていました。「このプロダクトに機能を1つ追加するとすると何をしますか? それはなぜ?」から始めて、楽しく実りある議論をできるか、私が学ばせていただくところがあるかで判断していました。ただ、どこもプロダクトマネージャー不足で自社のプロダクトのことを知らない方にもリクルーティングをかけなければならないこともあるかと思い、その場合は「これまで携わったプロダクトの一番愛しているところ」を聞くことが多かったです。
及川:私は過去のプロダクトマネジメントの実績の中で、もう一度やり直せるならばやり直したいものがあるかを聞きます。やり直したいものがないはずはないので、もしないと答えた人がいたら、その時点でマイナスとします。やり直したいものがある場合には何をどのようにやり直したいのかを聞きます。ここからプロダクトづくりをどのように進めるかがわかりますし、過去の失敗から何を学んでいるかもわかります。
同じような質問で、過去に使っていて今は使わなくなってしまったプロダクトがあるかを聞き、ある場合は、もし自分がプロダクトマネージャーとしてそのプロダクトを担当できるならどうするかを聞きます。これから、そのプロダクトを自分ごととしてどのように捉えているか。特に、Core、Why、Whatをどのように捉えるかを判断できます。
曽根原:お二人の回答に加えて、過去に使ったプロダクトの中で最もフラストレーションがたまったプロダクトやその瞬間について聞きます。なぜイライラしたのか、その原因をどれだけ色彩豊かに(多様な観点で)語れるか、でプロダクトマネージャーとしての物事の複眼的思考力と適度な深掘り力を探ります。
Q テクニカルPMという言葉もよく見かけますが、一般的なPMとの違いはどこだと思いますか?
及川:テクニカルPMやビジネスPMというのが会社によって用意されている場合もあります。その場合はそのジョブタイトルが示すように、テクニカル中心またはビジネス中心での役割が期待されています。多くは同僚となる他のプロダクトマネージャーがその他の領域に詳しく、組織としてビジネスとテクノロジーとUXをカバーしています。
また、会社によってはPMといったときにプロダクトマネージャーではなく、プログラムマネージャーの略であることもあります。これはTPMと呼ばれます。このTPMが置かれる組織ではPM(プロダクトマネージャー)がビジネス寄りとなっているため、Howをエンジニアと行うためにTPMが配置されています。
プロダクトマネジメントの実践におけるヒント
Q Why、Whatを特定するためには、どのようなプロセスやアプローチで進めるとよいですか? 勘所などありましたら教えていただきたいです。
及川:3つの検証を考えるとよいでしょう。1つはユーザーで検証すること。ユーザーインタビューなどで検証しましょう。もう1つが事業として成立するかの検証。そして最後がチームとして高いモチベーションで取り組めるかの検証。
曽根原:及川さんのアドバイスに加えて、Target Addressable Market(TAM)の大きさを測る力を鍛えましょう。ちまたで言うフェルミ推計的なアプローチでもよいので、そもそもプロダクトに興味持ってくれそうなユーザーボリュームがどのくらいありそうか、そのCAGR(年平均成長率)はどのくらいか、現在そうしたユーザーはどんな方法で課題の解決をやりくりしているのかなど、マーケットの存在の有無とその成長率を見抜きましょう。
Q プロダクトのベンチマークとして、ビジョンやターゲットは誰かを知るよい方法があれば教えてください。
小城:ビジョンやターゲットは知るものではありません! 答えを探すのではなく、プロダクトマネージャーが意志を持って設定するものです! ターゲットについては、私はプロダクトを小さく作り、ユーザーに当てることを繰り返す以外はないかと考えています。

