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SQL Anywhereの魅力を探る

SQL Anywhereのデータベース再構築/アップデート

SQL Anywhereの魅力を探る 5


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2.12 SQL Anywhereのアップデート

 SQL Anywhereのアップデートは小さな修正から順に、以下の3つがある。

  • EBF(Express Bug Fix)によるバグフィックス
  • アップグレードパッチによるマイナーバージョンアップ
  • メジャーバージョンアップ

 EBFは、主にバグの修正で、ビルドナンバーが更新される。修正履歴がWebサイトに掲示されるので、必要があればインストールする。EBFファイルには、同一マイナーバージョン内における過去の修正がすべて含まれるので、最新のものを1つインストールすればよい。EBFファイルは、アイエニウェア・ソリューションズ社のWebサイトからダウンロードでき、インストーラを使ってアップデートする(ただし、EBFの取得は有償)。

 アップグレードパッチではマイナーバージョンが更新され、バグの修正だけでなく、新機能も追加される。パッチファイルは、アイエニウェア・ソリューションズ社のサイトからダウンロードでき、インストーラを使ってアップグレードする。新機能を利用するには、「2.11 データベースファイルの再構築」で説明した方法でデータベースファイルを再構築したほうがよい場合がある。

 メジャーバージョンアップは、大幅な機能追加で、新製品に位置づけられる。既存のデータベースは、原則、データベースファイルを再構築しなければならない。

バージョンの確認

 現在インストールされているSQL Anywhereのバージョンは、以下のコマンドで確認できる。

$ dbeng9 -v

 また、データベースサーバの起動ウィンドウなどにも、利用しているバージョンが表示される。バージョンは「9.0.2.2451」のように記述され、次のような意味である。

メジャーバージョン.0.マイナーバージョン.ビルドナンバー

2.13 サイレントインストール

 SQL Anywhereをインストールする際、通常、CD-ROMからウィザードを起動して、オプションを選択しながらインストールする。1台のマシンにインストールするならこれでよいが、多数のマシンにインストールしたり、アプリケーションに組み込んだりする場合には、インストールの始めから終わりまで人間がつきっきりで見ていなければならず面倒だ。そのようなときは、あらかじめ指定したインストールオプションでインストールする「サイレントインストール」機能がある。

 まず、設定オプションのマスターを作るため、適当なマシンにSQL Anywhereをインストールする。このとき、CD-ROM内のsetup.exeを-rオプション付きで起動する。

$ setup.exe -r

 ウィザードに従ってインストールすると、設定したオプションが *.issという応答ファイルとして作成される。

 次に、実際にインストールしたいマシンにインストールする。作成された応答ファイルをコピーしておき(たとえばsetup.iss)、CD-ROM内のsetup.exeを次のように起動する。

$ setup.exe -s f1"setup.iss"

 これで、記録された設定どおりに自動でインストールされる。

2.14 各種コマンド

 表2.7にSQL Anywhereにおけるデータベース管理コマンド名とその用途を簡単に記した。コマンドオプションなどの詳細はマニュアルを参照していただきたい。

表2.7 SQL Anywhereのデータベース管理コマンド
コマンド名 説明
dbbackup データベースをバックアップする
dbcollat 文字の照合(文字の並び順を指定したもの)をファイルに書き出す。照合をカスタマイズする際に利用する
dbdsn データソース名の管理
dbconsole データベース接続をモニタリングするツールを起動する
dberase データベースファイルを削除する
dbfhide dbsrv9などのコマンドラインはファイルとして指定することもできるが、そのファイルを暗号化する
dbhist データベースのヒストグラムをファイルに書き出す
dbinfo データベース情報を表示する
dbinit データベースファイルを作成する
dbisql Interactive SQLを起動する
dblang ログメッセージなどの言語を変える
dblic ライセンス数を変える
dbltm Sybase Replication Serverに参加する
dbtran トランザクションログをSQLに変換する
dbping データベースサーバへの接続を試みる
rebuild データベースを再構築する。dbunloadやdbinitコマンドのラッパー
dblocate ネットワーク上にあるデータベースサーバを表示する
dbsvc データベースサーバのサービス登録を管理する
コマンド名 説明
dbspawn データベースサーバをバックグラウンドで起動する
dbstop データベースサーバを停止する
dblog トランザクションログファイルを管理する
dbunload データベースをアンロードする
dbupgrade データベースのスキーマをアップグレードする
dbvalid データベースを監査する

次回

 次回は、組込向けデータベース「Ultra Light」を、最新バージョンのSQL Anywhere 10向けに加筆して紹介する。社内評価や開発を目的としたSQL Anywhereの利用であれば、無償のDeveloper Editionを利用できるので、ぜひ一度、実際に試していただきたい。

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この記事の著者

森脇 大悟(モリワキ ダイゴ)

1974年生まれ。神奈川県川崎市出身。京都大学理学部物理学科卒業。同大学院 修士課程中退後、有限会社グルージェント(現・株式会社グルージェント)入社。SIとして金融や物流システムを手がける。2003年アイエニウェア・ソリューションズ株式会社入社。エンジニアとして製品の導入支援やコンサルティング業務に...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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