急成長中のeコマースプラットフォーム「Shopify」の特徴
「Shopify」はカナダ発のeコマースプラットフォーム。ミッションは「Make Commerce Better for Everyone(世の中のためによりよいコマースを提供する)」こと。Shopifyは「創業者が趣味のスノーボードのECサイトを立ち上げたことがきっかけだった」と梅田さんは話す。
スノーボードは季節性のスポーツであるため、夏場には売れなかったが、予想外にもECサイトの仕組みを使わせて欲しいという問い合わせがあったそうだ。創業者が、こちらの方がビジネスになると思い、eコマースのプラットフォームとしてShopifyを2006年にローンチした。現在、175カ国、数百万を超える事業者のECサイトがShopify上で稼働している。
Shopifyの第一の特徴は、ストア作成のための機能はもちろん、決済や受注などのバックエンド、マーケティング、安全性を担保する仕組みなど、「インターネット上で販売に必要な多くのモノを網羅して提供していること」と梅田さんは説明する。
第二にShopifyはオンラインストアだけではなく、実店舗、InstagramやFacebookなどのSNSチャネル、さらには楽天市場などのマーケットプレイスとも連携し、販売をサポートするマルチチャネルコマースプラットフォームとなっていることだ。
第三は豊富なAPIを提供することで、汎用性が高く自由度の高いカスタマイズが可能なこと。しかも技術のスキルに乏しい人でも、ノーコードでストアが作ることができるのはShopifyの強みだ。一方、大企業が大規模なECサイトを構築し、自社のERPと連携したいという複雑な要件にもShopifyは対応する。「カスタムコードを記述すれば、自由度の高いカスタマイズが可能です。APIも豊富に提供しているので、いろんなことができると思います」と梅田さんは話す。
第四にエコシステムが急拡大していることだ。Shopifyはeコマースプラットフォームだが、同社製品だけで成り立っているわけではない。例えばiPhoneはApple Storeで公開されているアプリをインストールすることで、さまざまなことができるようになる。「Shopifyでも同様のことが起こっており、すでに7000個以上のShopifyアプリがリリースされています」(梅田さん)
また、それらを開発している外部のパートナーはアクティブで活動している人だけでも4万人以上いる。現在、日本で公開されているアプリの半分が今年リリースされたもの。日本では今、アプリエコシステムは急拡大している。
パートナーと一口に言っても、アプリ開発パートナーもあれば、Webストアの見た目のデザインやテンプレートなどを開発するテーマ開発パートナー、ストア構築をサポートするストア構築パートナーと3種類ある。