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.NET最新版でASP.NET Core

.NET 6でASP.NET CoreのMVCアプリケーションのデータ処理を理解しよう

.NET最新版でASP.NET Core 第6回


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 前回と今回は、MVCパターンによるアプリケーション開発のためのASP.NET Core MVCを取り上げます。2回目となる今回は、アプリケーションのモデルにScaffoldingによるCRUD機能を追加する過程を通して、モデルのあるコントローラとビューの動作を理解します。

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はじめに

 本連載では、マルチプラットフォーム化が進む.NETと、そのWebアプリケーション開発フレームワークであるASP.NET Coreの全体像を俯瞰します。ASP.NET Coreは、アプリケーションの目的や開発スタイルに応じて選択することができる多彩なサブフレームワークを搭載しています。それらの基本的な性質や機能を読者に示すことで、ASP.NET Core導入の一助になることを目的とします。

対象読者

  • Core以前のASP.NETに慣れ親しんだ方
  • Web開発の新しい選択肢としてASP.NET Coreを理解したい方
  • ASP.NET Coreの多彩なフレームワークを俯瞰したい方

必要な環境

 本記事のサンプルコードは、以下の環境で動作を確認しています。

  • macOS Monterey / Windows 10 (64bit)
    • .NET SDK 6.0.100
    • Google Chrome 103

アプリケーションの機能拡張手順

 今回は、第5回で作成したサンプルアプリケーションMvcSampleをベースに、機能を拡張していきます。サンプルアプリケーションはdotnet newコマンドで自動生成された、単にテキストだけのページを表示するものでした。これをRazor Pagesのサンプルと同じく「足あとアプリ」(訪問者の名前とメッセージを日時とともに記録するアプリ)に機能拡張していきます(図1)。見た目はほとんど一緒になりますが、実装は当然のことながら異なってきますので、今回はその違いを理解していきましょう。

図1:完成した「足あとアプリ」
図1:完成した「足あとアプリ」

 アプリケーションの機能拡張の手順は、以下のようになります。基本的な流れはRazor Pagesにおけるものと同じですので、第3回の説明を適宜参照してください。ここでは、4. のScaffoldingのみ説明します。

  1. Scaffoldingに必要なツールをインストールする(第3回と同様)
  2. Scaffoldingに必要なパッケージをインストールする(第3回と同様)
  3. 足あとデータを取り扱うモデルを追加する(第3回と同様、名前空間は変更)
  4. Scaffolding機能を使ってCRUDページを作成する
  5. データベースのマグレーションを実行する(第3回と同様)

 アプリケーションにScaffoldingを行う場合、都度2.~5.の手順を実施します。

FootmarkモデルをScaffoldingする

 ツールとパッケージがインストールされ、モデルクラスFootmarkを作成できたら、このモデルに対してScaffoldingによりCRUD機能(作成、参照、更新、削除)を追加します。プロジェクトのルートフォルダで、以下のコマンドを実行してください。

% dotnet-aspnet-codegenerator controller -name FootmarkController -m Footmark -dc MvcFootmarkContext --relativeFolderPath Controllers --useDefaultLayout --referenceScriptLibraries -sqlite
…中略…
RunTime 00:00:12.65

 コマンドの最初の引数controllerはジェネレータの指定で、MVCに基づくScaffoldingを行うことの指示です(Razor Pagesではrazorpages)。コマンドを実行すると、データベースコンテキストクラスが自動的に生成されたことが示され、実際に追加されたコントローラやビューのファイルが表示されます。

 dotnet-aspnet-codegeneratorコマンドには多数のオプションが指定されましたが、主なものを表1に示します(一部、第3回の表2の再掲になります)。

表1:dotnet-aspnet-codegeneratorコマンドの主なオプション
オプション 説明
-m モデルクラスの名前
-dc 使用するDbContextクラスの名前(これでクラスファイルが作成される)
-udl 既定のレイアウトを使用する指示
-outDir ビューを作成するフォルダ(プロジェクトルートの相対パス)
--referenceScriptLibraries 作成・編集ページに_ValidationScriptsPartialを追加
--sqlite データベースプロバイダにSQLiteを使用

 ここまでで、アプリケーションに必要なファイルが揃いました。この時点での、プロジェクトの構成は図2のようになっています。ControllersフォルダにコントローラであるFootmarkController.jsファイルが追加され、Views/FootmarkフォルダにCRUDに対応したビューのファイル(Create.cshtmlなど)が追加されていることが分かります。

図2:Scaffoldingを実行した直後のプロジェクト構成
図2:Scaffoldingを実行した直後のプロジェクト構成

 Scaffoldingとデータベースのマイグレーションが実行された時点で、コントローラ(アクション)とビュー、データベースなどは図3のように構成されます。

図3:コントローラ(アクション)とビューの関係
図3:コントローラ(アクション)とビューの関係

 アプリケーションの実行方法はRazor Pagesと同様ですので、第3回を参照してください。

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この記事の著者

WINGSプロジェクト 山内 直(WINGSプロジェクト ヤマウチ ナオ)

WINGSプロジェクトについて> 有限会社 WINGSプロジェクトが運営する、テクニカル執筆コミュニティ(代表 山田祥寛)。主にWeb開発分野の書籍/記事執筆、翻訳、講演等を幅広く手がける。2018年11月時点での登録メンバは55名で、現在も執筆メンバを募集中。興味のある方は、どしどし応募頂きたい。著書記事多数。 RSS Twitter: @yyamada(公式)、@yyamada/wings(メンバーリスト) Facebook <個人紹介> WINGSプロジェクト所属のテクニカルライター。出版社を経てフリーランスとして独立。ライター、エディター、デベロッパー、講師業に従事。屋号は「たまデジ。」。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

山田 祥寛(ヤマダ ヨシヒロ)

静岡県榛原町生まれ。一橋大学経済学部卒業後、NECにてシステム企画業務に携わるが、2003年4月に念願かなってフリーライターに転身。Microsoft MVP for Visual Studio and Development Technologies。執筆コミュニティ「WINGSプロジェクト」代表。主な著書に「独習シリーズ(Java・C#・Python・PHP・Ruby・JSP&サーブレットなど)」「速習シリーズ(ASP.NET Core・Vue.js・React・TypeScript・ECMAScript、Laravelなど)」「改訂3版JavaScript本格入門」「これからはじめるReact実践入門」「はじめてのAndroidアプリ開発 Kotlin編 」他、著書多数

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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