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.NET最新版でASP.NET Core

.NET 6でASP.NET CoreのMVCアプリケーションの基本を理解する

.NET最新版でASP.NET Core 第5回


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 今回から2回に分けて、MVCパターンによるアプリケーション開発のためのフレームワークASP.NET Core MVCを取り上げます。初回となる今回は、MVCパターンによるアプリケーションを自動生成し、その構成を見ていくことでアプリケーションの基本的な成り立ちを理解します。

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はじめに

 本連載では、マルチプラットフォーム化が進む.NETと、そのWebアプリケーション開発フレームワークであるASP.NET Coreの全体像を俯瞰します。ASP.NET Coreは、アプリケーションの目的や開発スタイルに応じて選択することができる多彩なサブフレームワークを搭載しています。それらの基本的な性質や機能を読者に示すことで、ASP.NET Core導入の一助になることを目的とします。

対象読者

  • Core以前のASP.NETに慣れ親しんだ方
  • Web開発の新しい選択肢としてASP.NET Coreを理解したい方
  • ASP.NET Coreの多彩なフレームワークを俯瞰したい方

必要な環境

 本記事のサンプルコードは、以下の環境で動作を確認しています。

  • macOS Monterey / Windows 10(64bit)
    • .NET SDK 6.0.100
    • Google Chrome 103

ASP.NET Core MVCとは?

 ASP.NET Core MVCは、Core以前のASP.NETから導入されていた、MVCパターンによるWebアプリケーションフレームワークです。MVCパターンとは、アプリケーションの構成要素をモデル(Model:M)、ビュー(View:V)、コントローラ(Controller:C)に分割し、それぞれが独立して協調しながら動作する設計モデルです(図1)。Modelはデータ処理、ビューはUIの構築、コントローラはリクエストの振り分けや処理結果のビューへの反映を行います。多くのWebアプリケーションフレームワークで採用されている、標準的なパターンです。

図05-01:MVCパターン
図1:MVCパターン

 ASP.NET CoreにおけるWebアプリケーションのためのフレームワークには、第2回で紹介したRazor Pagesがあります。Razor PagesはASP.NET Core MVCに対して後発の技術になりますが、新旧を以て優劣が決まるということにはなりません。実際の開発においては、両者の特性を理解してフレームワークを選択する必要があります。

 Razor Pagesはページ指向のフレームワークで、MVVM(Model、View、ViewModel)パターンに基づいているのは第2回で触れました。ページ指向であるので、個々のページに対応するファイルをユーザに見せたい階層構造で配置すればよく、直感的でWebサイトをメンテナンスしやすいというメリットがあります。また、ページのファイルも、表示のためのビュー(.cshtml)とデータ処理のためのページモデル(.cshtml.cs)が対になるので、お互いの関係がわかりやすいというメリットもあります。

 しかしながら、Webサイトを構成するページが増えてくると、それぞれのページの関係が把握しづらくなってくる、ビューとページモデルの分業がしにくいという問題もありますので、比較的小規模なサイト構築に向いていると言えます。

 これに対してMVCでは、コントローラという元締め的な存在がユーザのリクエストを受け付け、その内容に基づいて必要なアクションを呼び出してモデルに対する処理を行い、ビューに結果を反映させるという処理を行います。それぞれが独立しているため、分業がしやすく相互に影響を受けにくいというメリットがあり、中規模以上のサイトに向いていると言えます。ただし、どうしてもコントローラに処理が集中することになり、コントローラの開発面と稼働面の双方で負担が大きくなるという問題があります。

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この記事の著者

WINGSプロジェクト 山内 直(WINGSプロジェクト ヤマウチ ナオ)

WINGSプロジェクトについて> 有限会社 WINGSプロジェクトが運営する、テクニカル執筆コミュニティ(代表 山田祥寛)。主にWeb開発分野の書籍/記事執筆、翻訳、講演等を幅広く手がける。2018年11月時点での登録メンバは55名で、現在も執筆メンバを募集中。興味のある方は、どしどし応募頂きたい。著書記事多数。 RSS Twitter: @yyamada(公式)、@yyamada/wings(メンバーリスト) Facebook <個人紹介> WINGSプロジェクト所属のテクニカルライター。出版社を経てフリーランスとして独立。ライター、エディター、デベロッパー、講師業に従事。屋号は「たまデジ。」。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

山田 祥寛(ヤマダ ヨシヒロ)

静岡県榛原町生まれ。一橋大学経済学部卒業後、NECにてシステム企画業務に携わるが、2003年4月に念願かなってフリーライターに転身。Microsoft MVP for Visual Studio and Development Technologies。執筆コミュニティ「WINGSプロジェクト」代表。主な著書に「独習シリーズ(Java・C#・Python・PHP・Ruby・JSP&サーブレットなど)」「速習シリーズ(ASP.NET Core・Vue.js・React・TypeScript・ECMAScript、Laravelなど)」「改訂3版JavaScript本格入門」「これからはじめるReact実践入門」「はじめてのAndroidアプリ開発 Kotlin編 」他、著書多数

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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https://codezine.jp/article/detail/16254 2023/05/26 17:19

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