ビジョンの共有と、コーディングテストによる採用活動を展開
ミッション、ビジョン、バリューが決まったら、石島氏と狩野氏は、組織作りのために仲間集めを始める、人材採用だ。採用は面接とスキルチェックの2つで行われた。
狩野氏は「ミッション、ビジョン、バリューを作ることによって、私たちはこういうことがしたい、なぜやりたいのかを、採用のときにしっかり面接者に言えるようになりました。私と石島が2人で初めから面接に向かい、ビジョンに共鳴していただけるかを判断、そしてスキルチェックではコーディングテストを実施して、この両面で採用を進めていったのが最初の1年ぐらいでした」と語る。
この間、成功した企業に採用についてヒアリングなども行った。狩野氏は、成功した企業から「エンジニアを採用するなら人事部に任せるな」と助言を受ける。エンジニアリングマネージャーや事業の責任者が、最初から出てくることが非常に大事だと言われた。人事部だけに任せてしまうと、事業への思いが語れない、アーキテクチャの話ができないなど、お互いの時間が無駄になってしまう。こうして石島氏と狩野氏は採用を進めていき、当初5、6名の採用ができた。
しかし十分配慮したつもりでも、ゼロからのスタートではどうしても採用したエンジニアとの不一致が生じてしまう。採用メンバーの中で、カルチャーの違いとかキャリアパスへの考え違いが見えてきて、何人か退職者も出た。
しかし、人数は減ったがビジョンを共有するメンバーが残ることになり、そこからエンジニア主導の仲間集めをしっかり進められるようになった。狩野氏は、「エンジニアも面接に入ってもらえるようになりました。そこからはエンジニアが、新しいメンバーの行動を見るなど、徐々にエンジニア主導の仲間集めになっていきました」と一度メンバーが絞られたことが功を奏したと述べた。
コードを通じたコミュニケーションで技術スキルを知る
ここで山根氏から、面接時のコーディングテストについて、ソースコードを見て何をどう判断しているかという質問が出た。
狩野氏は、コードテストについては、その結果を面接者と面接のその場で話をすると言い、点数をつけるのではなく「時にはコードを見ただけで、この人のJavaScriptはすごい! とわかって、そこから面接者にリスペクトが生まれることもありました。だから面接というよりも、コードを通じたコミュニケーションをする感覚で、とても面白かったです」と語った。コードの書き方については、同社がヘルスケア系のプロダクトを扱うことから、コードを素早くプロトタイプ的に書くより、プログラムコードの1行1行をしっかり丁寧に扱えるかどうかに留意した。
山根氏は最後の質問として、エンジニア組織づくりのアドバイスを求めた。
狩野氏は、内製化に注力することが組織の活性化につながるとし「内製化するからには、中のエンジニアが事業をどうドライブしていくかに、どれだけコミットできるかが鍵になると思います。コミットできる環境があるなら、エンジニアが率先して事業を進めていける組織にすれば、エンジニアも楽しく没頭して参加できる。これは事業にとってもメリットがあります」と提言した。
石島氏は、狩野氏が以前言った「組織作りもエンジニアリングだよね」という言葉が印象的だったと語った。目的があって、人々を集めて、達成のために技術を生かして一つのプロダクトを作る。必要な人材は、要件を定義して選抜する。その後、組織に馴染む人もいれば、そうではない人もいる。
「こうした流れは、開発プロセスと似ていると思っています。ですから結構楽しめるのではないでしょうか。私自身、組織作りって本当に楽しいなと思いますし、エンジニアリングなら得意な人が実は多いと思います。私は、狩野さんとか我々のエンジニアを見ていて非常に思います」(石島氏)。
Trackを使えば、実務に近い形で技術力の測定ができるので、エンジニアと会社の両者が互いに技術力を正しく見極められミスマッチのない仲間集めが期待できる。自分が正しく評価された状態で、その会社に入れたなら、入社後業務に邁進できる。山根氏は、サンプル問題を知りたい、コーディング試験を受けてみたいなどの要望があれば、環境の用意があるので、興味あればぜひ声を掛けてほしいとアピールした。
強いエンジニア組織をつくる、コーディングテストツール「Track Test」
Track Testは、質の高い500問以上のオフィシャル問題やレポート機能により、エンジニア候補者のスキルを正しく測ることができます。まずはお気軽に、資料をご覧ください!