.NETで動作するPython実装である「IronPython」の開発チームは、最新バージョンである「IronPython 3.4.0」を12月12日(現地時間)に公開した。IronPythonはApache License 2.0で公開しているオープンソース・ソフトウェアだ。
「IronPython 3.4.0」の最大の改良点は、言語仕様がPython 3.4とほぼ共通になったという点だ。ただし、開発チームはPython 3.0〜3.6から、それぞれ機能を持ち込んでいるとしている。
前バージョンの「IronPython 2.7.x」は、Python 2.xに準拠していたため、最新の言語仕様の取り込みができていなかった。IronPython 3.4.0の実行ファイルは、IronPython 2.7.xとの互換性を持たない。既存のコードをIronPython 3.4.0で動作させるには、書き換えが必要になる。
IronPythonはPythonの文法で.NET Frameworkの膨大なソフトウェア部品を利用でき、元々のPython(CPython)の資産もある程度活用できる。さらに、スクリプト言語としてインタプリタで動作させることだけでなく、.NETの中間言語(Common Intermediate Language)にコンパイルして、中間言語をJITコンパイルさせてから動作させることも可能だ。以上のような特徴から注目を集めたが、近年は開発が滞り、新バージョンを公開しても軽微なバグ修正を目的としたものばかりだった。
「IronPython 3.4.0」の実行環境は、.NET Framework 4.6.2、.NET Core 3.1、.NET 6に対応する。GitHubレポジトリでは、ソースコードだけでなくWindows、macOS、Linuxに対応したバイナリ・ファイルも配布している。
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CodeZine編集部(コードジンヘンシュウブ)
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