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【イベントレポート】注目IT企業5社が登壇──BtoB SaaSにおける難易度の高い技術課題との向き合い方<後編>

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 その数、約367万4000。これは総務省と経済産業省が本年度に発表した、2021年6月時点における日本全国の企業数だ。この膨大な数の企業を支えているBtoB SaaSは、まさに日本のビジネスにおける"屋台骨"のようなソフトウェアだといえる。そんなBtoB SaaSの開発・運用では、難易度の高い技術課題が常につきまとう。2022年11月17日に開催された「BtoB SaaSにおける技術課題との向き合い方」(主催:Sansan株式会社)では、BtoB SaaSを提供するIT企業各社のエンジニアが登壇。直面した課題やその解決先についてノウハウを共有した。この記事ではイベント後半パートのレポートをお届けする。

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顧客要望と機能開発の狭間をつなぐ技術/株式会社iCARE 元CTO 荻野淳也氏

 前半パートのSmartHR社、Sansan社、カミナシ社に続き登壇したのは、株式会社iCAREの荻野淳也氏だ。同社は人事・産業保健スタッフのための健康管理システム「Carely」を提供している。このプロダクトは健康診断・メンタルヘルス・面談管理など健康管理にかかる業務工数を効率化するだけでなく、組織の健康課題を根本から改善する予防の実現を支援してくれる。

 セッション冒頭で荻野氏は「B2B SaaS特有の事情として、安全性の高さと安定したサービス運用という2つが顧客から特に強く求められる。今回のセッションでは後者について触れたい」と語った。「Carely」の主なユーザーは産業保健に携わる保健師や人事の健康労務担当者だ。そうした方々の業務フローに「Carely」は深く入り込んでいる。そして利用各社が「Carely」を用いて社内ワークフローを確立しており、操作マニュアルなどに基づき業務を推進している。

 プロダクト開発者側としては、機能を増やすことで顧客の要望に応えていきたいという思いがある。しかし一方で、機能の追加が頻繁に行われると各社のワークフローやマニュアルの改訂が追いつかなくなってしまう。つまり、特定の顧客に向けて良かれと思って提供した機能が、別の顧客にとって業務の妨げになってしまう可能性があるのだ。

 「SaaS開発の現場において、市場での競争に勝つためにはスピード感を持って機能追加していきたい。しかし、顧客が求めているサービスの安定を犠牲にしたくはない。顧客から『シンプルでわかりやすかったプロダクトが、だんだん複雑になって使いにくくなった』という言葉をいただくのは、非常に辛いこと」と荻野氏は述べる。

 こうした相反する要求を満たしていくため、iCARE社は企業ごとに機能の有効・無効を切り替えるための機能フラグを導入した。また、Flipperなど既存のライブラリを使うのではなく、自社で内製する方針を選んだ。それらの理由や今後の方針などを、荻野氏はセッション内で解説。「SaaSを成長させて顧客に価値を届けるための方法を、私たちは日々考えて努力し続けている」と結んだ。

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レジャー施設向けSaaSでの外部システム連携について/アソビュー株式会社 エンジニアリングマネージャー 竹内大介氏

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この記事の著者

中薗 昴(ナカゾノ スバル)

 週の半分はエンジニア、もう半分はライター・編集者として働くパラレルキャリアの人。現職のエンジニアとして培った知識・経験を強みに、専門性の高いIT系コンテンツの制作を行う。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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