レジャー施設向けSaaSでの外部システム連携について/アソビュー株式会社 エンジニアリングマネージャー 竹内大介氏
最後に登壇したのはアソビュー株式会社の竹内大介氏だ。レジャー・遊び・体験 スポットを検索・予約できる日本最大級の遊び予約サイト「アソビュー!」を展開する同社は、「toCのサービスを提供する会社」というイメージが強い。だが実際には、レジャー関連の事業者を対象としたBtoB SaaSも複数展開している。
本セッションではそのなかでも、観光・レジャー・文化施設さま向けの電子チケットサービス「ウラカタチケット」についての解説が行われた。それぞれのレジャー施設では、円滑な運営を行うために各種のシステムを導入している。入場における券売機の管理や販売時点情報管理(POS)、入場・退場の管理、売上の管理などが、その例として挙げられるだろう。「ウラカタチケット」はそれらのシステムとのデータ連携を行っている。
連携種類は主に3つで「商品連携」「販売連携」「ステータス連携」だ。これらの開発・運用に関して、アソビュー社のエンジニアたちがどのような工夫をしてきたのかを竹内氏は解説した。
まず商品連携については「連携先商品の何の情報を取得するか」「SaaS側に商品情報を保持するか、否か」などが設計の要点になると言及。どのような設計パターンを用いる場合でも利点・欠点は存在しており、「連携先によっては、商品IDのみを連携するような簡易版パターンも検討すると良い」と述べた。
また、販売連携では「同期連携の場合はパフォーマンスの問題と、非同期連携の場合はリアルタイム性の問題と向き合う必要がある」と説明。通信のタイムアウトに関する設定や例外処理などエラー発生時に必要な処理を丁寧にカバーすることや、連携先と協力関係を築きながら一緒に課題解決していくことの重要性を語った。
また、ステータス連携においては「連携の方向を極力シンプルにすることが重要」と述べ、できれば単一方向の連携のほうが運用がシンプルでリスクも少ないこと、双方向の連携にする場合は入念な設計とテストが必要であることなどを解説。外部システム連携における知見を得られるセッションとなった。