Datadog APMで見るアプリケーションパフォーマンスモニタリングの魅力
クラウド技術が進歩し、広く普及する中で、アプリケーションのシステム構造は変化した。従来のWebアプリケーションは、フロントエンド、サーバーサイド、データベースの三層構造で構成され、モニタリングも各層のプロセスを監視する程度でも十分だった。しかし今はクラウドネイティブアーキテクチャが主流となり、マイクロサービスを採用するアプリケーションも増えた。コンテナを使ってサーバーレス環境を構築し、疎結合されたマイクロサービスがAPI経由でやりとりする。
そんな依存関係が複雑な昨今の分散型アーキテクチャでは、従来のモニタリングツールは根本原因を探り出すのに時間がかかりすぎてしまう。クラウドネイティブ環境でのアプリケーション全体の可観測性(オブザーバビリティ)を高めて、今起きている事象を的確に捉え、問題の対処につなげる「アプリケーションパフォーマンスモニタリング(APM)」が注目されるのはこうした背景があると、Datadog Japanのシニアテクニカルエバンジェリスト、萩野たいじ氏は説明した。
Datadogの「Datadog APM」は、オブザーバビリティの三本柱と呼ばれる「メトリクス」「トレース」「ログ」を網羅可能なSaaSを、シングルプラットフォームで提供する。ハイブリッドクラウドのアーキテクチャ向けに設計されており、難しい設定もなく、手動クエリもないのですぐに使い始めることができると萩野氏。ログは無制限に収集でき、すべてのメトリクスを15秒の粒度で15カ月間保存可能。機械学習で対応が必要なもののみを通知するので、アラート疲労を軽減する効果もあると萩野氏は述べる。
Datadog APMの特長として、萩野氏は次の3つを挙げた。
- 分散環境下での迅速な問題解決
- あらゆるデプロイメントに対して、自信を持ってコードリリースが可能
- プロアクティブなアプリ最適化とコードパフォーマンス
Datadog APMは、アプリケーションの構成機能が分散的に運用管理されていても、ログやトレース、メトリクスを関連付けてオブザーバビリティを獲得できるので、異常が発生している箇所を特定し、必要な対処を判断して速やかに問題を解決できる。また、自動バージョンタグ付けやデプロイメントトラッキングなどの自動化機能のほか、各ビューにてカナリアやA/Bテストなどの状況を追跡できるので、不具合に対する不安なくデプロイを実施できるのも特長だ。さらには、サービスやエンドポイントなどでコードプロファイルを集計し、最もリソースを消費するコードラインなどを検出、インフラのリソースを見ながら最適化する機能もある。
「現代のシステムアーキテクチャに合った形でオブザーバビリティを実現するDatadog APMは、より早く問題を見つけて、より早く解決し、ビジネスを止めないためのツールだ」(萩野氏)