数学で確率を扱うときの基本の1つに大数の法則があります。システムトレードでは、ある手法が過去のデータに対してどのような成績を収めたかのサンプルを集めることで有効性を測定するので、むしろ大数の法則が確率の定義のようなものです。
大数の法則でのミソは、「試行回数を増やす」という点です。仮に60%の確率で1万円の利益が出て、残り40%で1万円の損失を出す取引手法があるとします。これを3回行うときに損益分布がどうなるかを実際に計算すると、次の図のようになります。
勝率60%ならずいぶん分が良いように思いますが、3回では結果が損失に終わる確率がまだ35.2%もあるのです。この確実性を高めるには3回ではなくもっとたくさんの回数をこなさなければなりません。そうすれば最終的に利益になることは大数の法則が保証してくれています。
そこで登場するのがもう1つの武器、コンピュータです。
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