ガートナージャパンは10月11日、2023年版「生成AIのハイプ・サイクル」を発表した。同社は、「2026年までに、80%以上の企業が生成AIのAPIやモデルを使用して、生成AIに対応したアプリケーションを本稼働環境に展開するようになる」との見解を明らかにしている。これは、2023年の5%未満から大幅な増加となる。
「生成AIのハイプ・サイクル:2023年」では、エンタプライズ・アプリケーションへの組み込みが増加しているテクノロジが特定された。10年以内に組織に大きなインパクトを及ぼすと予測される3つのイノベーションとして、「生成AI対応アプリケーション」「ファウンデーション・モデル」「AI TRiSM (AIのトラスト/リスク/セキュリティ・マネジメント)」が挙げられた。
「生成AI対応アプリケーション」とは、ユーザー・エクスペリエンス(UX)とタスク拡張に生成AIを使用し、ユーザーの成果達成を加速および支援するサービス。アプリケーションの生成AI対応が進むにつれ、従業員のスキルセットの幅が広がる。
「ファウンデーション・モデル」は、一般的なデータソースを使って事前に学習を行い、新たな問題の解決に向けて適応させることができるモデル。本ハイプ・サイクルでは「過度な期待」のピーク期に位置している。ガートナーは、ファウンデーション・モデルが2027年までに自然言語処理(NLP)のユースケースの60%を支えるようになると予測しており、これは2021年の5%未満から大幅な増加になる。
「AI TRiSM」は、AIモデルのガバナンス、信頼性(トラスト)、公平性、確実性、堅牢性、有効性、データ保護を確保するフレームワーク。モデルの解釈可能性と説明可能性、データとコンテンツの異常検知、AIデータ保護、モデル運用、攻撃に対する敵対的抵抗のためのソリューション、テクニック、プロセスが含まれる。AI TRiSMは、2〜5年以内に主流の採用に達すると予測されている。2026年までに、AIの透明性/信頼性/セキュリティを継続的に実現する組織は、採用やビジネス目標、ユーザーの受け入れに関して、AIモデルが導き出す結果の50%を改善できるとGartnerは予測している。
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CodeZine編集部(コードジンヘンシュウブ)
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