物販とコンテンツを組み合わせた事業で成長するクラシコム
クラシコムは「フィットするくらし、つくろう。」をミッションに掲げ、「北欧、暮らしの道具店」というサービスを運営している。このサービスは3つの側面を持つ。1つ目は、BtoC向けのECという側面。北欧のヴィンテージ食器から始まり、現在は世界中からセレクトした商品に加え、オリジナル商品の開発にも力を入れている。2つ目は法人向けのマーケティング支援「ブランドソリューション」である。「北欧、暮らしの道具店」の世界観に共感するクライアントに向けて、プロモーションや商品開発などのさまざまなメニューを提供している。3つ目はコンテンツパブリッシャーとしての側面。読み物、ポッドキャスト、ドラマ、映画など多岐にわたるコンテンツを配信している。
クラシコムでは、顧客との接点となるチャネルが多岐に渡っており、公式アプリやインスタグラム、YouTubeなどのチャンネルの登録アカウント数は680万を超えている。同社は独自の世界観を「ライフカルチャー」とし、これを活かして顧客の理想的な暮らし作りをサポートするプラットフォームを目指している。現在、クラシコムは18期に入っており、17期連続で成長を遂げてきた。特に、オリジナルのスマートフォンアプリは開発から3年で300万のダウンロードを記録し、アプリ経由の売上は全体の65%に成長している。2022年にグロース市場に新規上場したクラシコムの社員は現在87名、うちエンジニアは7名。
矢田氏自身は2017年にヤフー株式会社に新卒入社し、2020年にクラシコムへ転職。クラシコムでは「北欧、暮らしの道具店」を中心としたフロントエンドやバックエンド、インフラの開発業務に従事している。矢田氏は「自社開発に力を入れ、顧客がより世界観を楽しめるプラットフォームを目指しています」と話した。
クラシコムのテクノロジーグループにはデザイナーとエンジニアが所属し、ストアチームとロジチームという2つのチームで構成されている。ストアチームはアプリやWebを通じた買い物やコンテンツ体験の開発運営を担当し、ロジチームは受発注、物流、経理など、主に社内業務を支えるサービスの開発運用を行っている。また、SREとしてのインフラ領域の業務も、これら両チームから興味を持つメンバーが担当している。
働き方の面では、クラシコムは残業を当たり前としない文化を持っており、全社員の平均残業時間は月に3.7時間(2023年7月時点)で、多くの社員が18時過ぎには退勤する。テクノロジーグループは基本的にはテレワークで、月に2回のオフィスデイを設け、チームでのミーティングや仕事を行っている。また、オンラインでは月2回全社会が開催され、年に2回はリアルで開催される。