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Women Developers Summit 2023 セッションレポート(AD)

エンジニア急増中のクラスターが編み出したリモートワークのベストプラクティスとは?

【B-4】今だからこそ伝えたい、クラスターのフルリモートにおける生産性についてのお話

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リモートワークのメリットを最大化するためのツール活用術と意識の持ち方

 クラスターの勤務実態をエンジニアにフォーカスして深掘りしていこう。フルリモートではなく、月1日出社を残したのは対面でのコミュニケーションを重視しているためだ。asukaleido氏は「人は表情やしぐさから想像以上に情報を得ている」と指摘する。それは会社全体の空気感でも同様だ。オンラインだけでは「会社の今」の雰囲気が分からなくなる。

 月1の出社日は午前中に全社会があり、ランチには全員に弁当が配布され、午後はチームなどでミーティングを行う。終わると飲み会などに行くなど、リアルでしか得られないものを集中して吸収する日となっている。

 この月次の出社日がある前提で、普段の働き方を非同期と同期に分けて解説する。まず非同期はSlackを用いた文字ベースのコミュニケーションだ。なお(限定的なコミュニケーションになりがちな)個人チャンネルは禁止とし、できるだけパブリックな形で会話するようにしている。それからメンションも積極的に付けることで、見落としを避けるようにしている。また「後からすべてわかる」ように、議事録や設計などドキュメントを徹底的に残す。また(働き過ぎないように)打刻を細かくする。

 一方、同期ではGoogle Meetを軸としたWeb会議としていて、カメラオンを必須としている。ただしアバターはOK。カメラオフだと、そこにいるのか分からなくなるためだ。asukaleido氏は「単純ですが、徹底したほうがいい」と推奨する。なおクラスターがメタバースをやっていることもあり、アバター参加はおよそ半数以上で多い。asukaleido氏は「アバターだとメイクしなくてもよくて楽」と言うものの、伝わる情報は減るので「オーバーなリアクションをとったり、それが反映されるようなものを選んでいる」と話す。

Meetの風景
Meetの風景

 加えて、話しかけやすい場を作ることをチームで意識している。asukaleido氏のチームはDiscordの音声チャットで常時ミュートにしていて、話しかけたい時にミュートを解除して会話するそうだ。スピーカーはオンにしているので、常にラジオのように聞いていて、呼びかけがあればすぐに答えられるような状態にしている。

 asukaleido氏は「とにかくメリハリ。それから妥協。リアル並(のコミュニケーション)は追求しない」と述べる。

 役職別に意識していることをまとめると、asukaleido氏によると「プレイヤーは自身の働きは成果でのみ会社に伝わること、発言しなければ存在感が出ないことを意識する。加えて文字だと固くなるので柔らかさを心がける」。一方マネージャーは月次の出社の最大化を目指し、1on1や雑談を意識的に作りながら、チームの共通認識を常に持ち続けられるようにしている。また週次で共有会を行い、Slackで出ていても大事なものは口頭で伝達するようにしているそうだ。asukaleido氏は「同期の重要性を意識するが、安易に同期へは逃げない」と話す。

 実際のところ、生産性はどうなったのか。現在クラスターでは50人を超える規模で品質を両立したうえで週に1度のリリースを継続できている。エンゲージメントのサーベイでも高めの数字が出ており、asukaleido氏は「定量的、定性的に悪くない判断できる」と評価している。特にワークライフバランスではいい数値が出ていて、リモートワークという選択肢の恩恵と言えそうだ。

 最後にasukaleido氏は、リモートワークを成功させる鍵として「出社を意味のあるものにすること。チームで同じ働き方をすること。そして日々改善していくこと」とポイントを強調して講演を締めた。

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この記事の著者

加山 恵美(カヤマ エミ)

フリーランスライター。茨城大学理学部卒。金融機関のシステム子会社でシステムエンジニアを経験した後にIT系のライターとして独立。エンジニア視点で記事を提供していきたい。EnterpriseZine/DB Onlineの取材・記事や、EnterpriseZine/Security Onlineキュレーターも担当しています。Webサイト:http://emiekayama.net

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