ITエンジニア向け転職・就職・学習プラットフォーム「paiza」は、同サービスに登録しているITエンジニア、プログラミング学習者を対象に実施した「プログラミング言語に関する調査(2023年版)」の調査結果を12月14日に発表した。
学習で人気が高い言語ランキングは、2022年および2023年の「paizaスキルチェック」のうち、ランクが測定できるテストのみを抽出。その受験回数を言語別に算出し、ランキングを比較している。(社会人2022年:N=57万2008、社会人2023年:N=61万8545、学生2022年:N=32万6107、学生2023年:N=39万6204)
社会人における学習で人気が高い言語は、Python、Java、JavaScript、C#、PHPで昨年とほぼ変化がなかった。特にPythonは、優れた科学技術計算ツールとして評価され、大きな人気を得ていた。また、JavaScriptは通常フロントエンドで用いられることが多い言語だが、JavaScriptのライブラリであるNode.jsを使うことでサーバサイド言語としても利用が可能。Webサービスの開発であれば、フロントエンド側でJavaScriptはほぼ必ず使われるため、サーバサイドエンジニアにも学習ニーズが高いことが結果として現れた。
学生の学習でも社会人同様に、PythonとJavaは人気が高いものの、昨年と同じく学生ではC++やC#、C言語が社会人よりも人気となっていた。Python、Java、C言語は学校の授業で使われることが多い言語。C++はゲームエンジンのUnreal Engineでの開発に使われたり、他の言語と比較して、処理速度が速いため競技プログラミングでよく使われている。C#はゲームエンジンのUnityでの開発で使われる。ゲーム開発や競技プログラミングを行う学生が多いなかで、こうした言語が人気を集めていることがわかった。
転職で企業からニーズが高い言語ランキングは、2022年、2023年に「paiza転職」で掲載された求人票に占める各言語の割合を集計(2022年延べ求人票掲載数:3万1699件、2023年延べ求人票掲載数:2万857件)、言語別求人数比率をもとに作成された。
調査結果を見ると、企業ニーズが高い言語は1位からJavaScript、Java、PHP、Pythonで、社会人の学習における人気言語と実務で企業のニーズが高い言語はほぼ一致していることが分かった。また2022年との順位比較で企業ニーズが高まっているのが、Python(5位から4位)、TypeScript(8位から5位)となった。これらの言語の人気の高まりに押され、C#は二つ順位落とし6位、Rubyは一つ順位落とし7位、C++は一つ順位を落とし8位となっている。
転職における言語別の平均年収ランキングは、2021年〜2023年のうち、2年以上「paiza転職」に掲載した企業の求人票に記載された年収を言語別に集計し、記載年収の中央の値(年収600万円~800万円と記載されている場合は700万円)に基づき平均を算出された。(2023年調査対象の延べ求人票数: 1万3995件)
言語別の平均年収は全般的に上昇しており、全言語平均で23.2万円程上昇していた。なかでもGo言語(+51.5万円)、Sass(+54.8万円)、Perl(+91.5万円)の上昇が目立っている。
一方で、ScalaやC++は2022年と比べ平均年収が各15.0万円、10.3万円と下がっていた。C++は2020年から比較すると54.8万円も下がっている。理由としては、C++の場合、基礎知識を持つ社会人の数が比較的少なく、採用が難しいものの、学習経験者は多い(学生の学習人気言語4位)ため、経験が浅い若手人材の採用が進んだ結果、平均年収が下がったのではないかと考えられる。また、Scalaの平均年収が下がっている要因は、求人数比率が0.7%と極めて低いため個社ごとのブレの影響が多く出たものと思われる。
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CodeZine編集部(コードジンヘンシュウブ)
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