はじめに
はじめましての人ははじめまして。知っている人はこんにちは。合同会社DMM.comの矢野(@yanoshi)です。普段は弊社で開発/運用している動画配信サービスにおける、動画配信基盤システムの面倒を見ているチームでマネージャーをしています。最近ではDMM TVというサービスのリリースに深く関わっていました。
このサービスの動画配信基盤も、すべてうちのチームで開発しています。ここ数年間のアウトプットがいっぱい詰まっているので、面白い箇所については本連載でもちらほら紹介していきたいと思っています!
さて、本連載の1記事目は私が担当します。皆さんは「動画配信基盤」と聞いてどのような物を思い浮かべるでしょうか? おそらく具体的にイメージできる方のほうが少ないんじゃないかな? と思っています。
いまやインターネットのトラフィックの多くが動画データであると言われています。2019年時点でインターネットのトラフィックの61%が動画配信というデータも。
インターネット網を利用した動画配信サービスは普及し、高品質な動画がいつでも快適に見られる素晴らしい時代になったと思っています。
わたしたちも微力ながらそういった社会を支えていると自負していますが、一方で特殊な技術領域を扱っている認識もあります。チームの意識としてはそこまで変わったことをしている気はないのですが、Webエンジニアという職種の中で動画配信を行ったことのある人はあまり多くは居ないことでしょう。ここまで普及している技術にも関わらず、ニッチな状態を維持している技術領域は割と珍しいのかもしれません。
動画配信はピタゴラスイッチと形容するのがふさわしいほど、さまざまな技術が折り重なって実現されています。その結果、各要素の選択肢が多く、それらがとっつきにくさに繋がっているのだろうと私は考えています。そういったとっつきにくさから、ニッチなジャンルになっているのかもしれません。
しかしながら、過去はややこしかったインターネットでの動画配信も、あらゆる側面の技術が進歩した結果、難しいものでは無くなりつつあります。
これまで動画配信技術に触れてこなかったITエンジニアが、突然「明日から動画配信やって」と言われても、この連載を読めばなんとなく道筋がわかるような記事になればいいな、と思っています。
この連載を読んで「動画配信ってやろうと思えばできるじゃん」となっていただければ幸いです。