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今日からできる! 動画配信基盤システム構築

誰でもできる! インターネット動画配信~動画配信技術の変遷と現在のデファクトスタンダード

今日からできる! 動画配信基盤システム構築 第1回


プラットフォームが乱立する黎明期の時代

 皆さんは、初めてインターネットで動画を見たのはいつでしたか? 私は2004年頃だったように記憶しています。

 00年代はまさにインターネット動画配信の黎明期。技術もサービスも乱立した時代だったと思います。当時、インターネットで動画ストリーミング配信をする方法は本当に色々ありました。Flash、Shockwave、RealPlayer、DivX、Silverlight等々、さまざまなプラグインやソフトウェアの上で動画配信は実現されていました。

 なぜそうなったかは非常にシンプルで、当時のWebブラウザには標準の動画ストリーミングAPIが搭載されておらず、いわゆるアドオンやプラグインというような仕組みを用いないと、Webブラウザ上では動画再生ができませんでした。まぁGIFアニメーションやJavaScriptを用いたパラパラマンガぐらいは動いたわけですが……。

 例えば、当時主流だったInternet ExplorerではActiveXと呼ばれるソフトウェアコンポーネントを用いて、さまざまなソフトウェアがブラウザ上で動作し、それらが動画再生を担保していました。

 当然各々が同じ規格で配信/再生されているわけではなく、FlashではRTMPでFLVが流れてきていましたし、SilverlightやRealPlayerではMMSでWMVが流れてきていたような気がします。どのソフトウェアプラットフォームも自らの信じる最適解で動画配信と再生を行っていました。

 その昔はYouTubeもFlashでしたし、弊社はSilverlightでした。あの頃の動画配信は技術が今以上に乱立していました。

動画配信はWebブラウザ・スマホの時代へ

 そんな世界が大きく変わりました。Webブラウザの標準機能で動画が再生できるようになったのです。いわゆるHTML5によるVideoタグの登場です。例えばInternet Explorerだと9(2011年リリース)から動くようになりました。

 これによってある程度、動画配信の規格をWebブラウザが握るようになりました。もちろんVideoタグが動くようになっても、FlashやSilverlightでの配信は可能でしたが、やはり「〇〇をインストールしないと使えません」よりも手軽ですよね。段々とVideoタグによる動画再生が主流となっていきました。

 以降、それらはMSE(Media Source Extensions)/EME(Encrypted Media Extensions)と呼ばれるさらに高レベルなAPIへと進化を続け、今日のWebブラウザでの動画再生を実現しています。こういった流れにより、RTMPといったWebブラウザがサポートしないプロトコルでの配信は減り、HTTP上に展開される動画配信形式が主流となっていきます。

 またインターネットで安定的に動画配信を実現する関連技術も醸成されていきました。いわゆる「画質: 自動」を実現するABR(Adaptive BitRate)もその一つです。

 YouTubeのような動画共有サイトや、弊社が展開するような動画配信サービスの発展にこれらの流れは大きく寄与します(動画共有サービス、動画配信サービスの急速なユーザー数の増加によりABRのような技術が発展したこともあり、鶏が先か卵が先か、なところはありますが)。

 そしてその裏でスマートフォンが普及していきます。動画をこれまでよりさらに気軽に楽しめるようになったのはもちろんのこと、スマートフォンで快適に動画を再生させようとすると、どうしてもスペックの制約があり、ある程度配信形式(特に圧縮形式)を最適化させていく必要があります。その結果として、ある程度圧縮形式や設定のデファクトスタンダードが決まっていきました。

 iPhoneにせよAndroidスマートフォンにせよ、初期の頃からSoC(System on a Chip)に動画再生用のハードウェアデコーダーが搭載されています。スマートフォンの非力なCPUでは再生できないような高画質な動画も、それらのハードウェアデコーダーを利用すると難なく再生することができます。結果としてハードウェアデコーダーのスペックに動画配信に用いられる圧縮形式が左右されるという潮流はいまも続いています。

 このように発散していた技術が、ある程度収束した地点にわたしたちはいます。「Webブラウザに動画配信するなら、この形式で圧縮し、この形式で配信すれば良いんじゃない?」というようなある程度のデファクトスタンダードが見えてきています。実際にHTTPを利用した動画配信技術をまとめたCMAF(Common Media Application Format)という国際標準規格も策定されており、それに則ればWebブラウザを含めたさまざまなプラットフォームに対して、同じデータ構造で映像を配信できるようになっています。

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動画配信を実現する要素技術

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この記事の著者

矢野 完人(合同会社DMM.com)(ヤノ マサヒト)

 2016年にDMM.comへ新卒入社。CTO室に配属され、新規事業立案や動的画像リサイズエンジンのR&D等に従事。2017年に動画サービスを司る部署(現:動画配信開発部)に異動し、配信基盤グループにて設計・開発・運用・マネジメントなどさまざまな業務を行う。現在はメディア基盤開発部 部長とし...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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