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アーキテクトとして活躍、高安氏が30年の業界経験から見出した「すごいエンジニア」を育む組織の秘訣とは?

【15-A-3】エンジニアの成長とそれを支える組織の考え方

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技術者の成長を組織で支える──「貢献」を定義して、市場で評価されるエンジニアへ

 最後に、こうしたエンジニアの成長を支える技術組織の取り組みとして、BTCの事例が紹介された。BTCでも、2015年に技術組織が立ち上がるまでは「プロジェクトをどれだけ頑張ったか」という軸のみで評価を行っていたという。確かにプロジェクトの達成で利益を得ている組織ではあったが、たとえば技術で自動化して作業時間を減らすと「頑張っていない」という評価になってしまう。それではテクノロジストが育たないという気づきのもと、技術組織という新しい取り組みがスタートしたという。

 技術組織の担い手として、高安氏はまず社内にコミュニティを作り、エンジニアが望む評価について議論した。また、2017年にはトップ経営層をAWSの主催する技術イベント「re:Invent」に無理やり行かせたことについて、高安氏は「自分を褒めてあげたい」と語る。内容の理解はともかく、役員らはその熱気に圧倒され、全社的にクラウドにシフトするきっかけとなった。2018年にはクラウドCoE組織が立ち上がり、業態変革を進めている。また2020年からは、アジリティCoE組織も立ち上がり、ウォーターフォールでドキュメンテーションや納期ばかりを意識する体制から、よりビジネス価値にフォーカスするようになったという。

社内組織や技術的な取組への取り組み
社内組織や技術的な取組への取り組み

 高安氏は「こうしたエンジンを掛ける部隊があることで、みんなの意識が少しずつ変わり、ビジネスも変わっていった。CoEという取り組みは非常に効果的だった」と振り返った。

 そしてもう1つ、「可視化」も組織に対して大きなインパクトがあったという。開発において感覚的な○%の進捗という表現に違和感を持っていた高安氏は、進捗率を可視化して評価するために「BTC Codebase」を開発した。

BTC Codebaseの全体像
BTC Codebaseの全体像

 こうした技術組織の立ち上げについては、プレゼンテーションを通して「ミッション」「ビジョン」「バリュー」の浸透にも力を入れたという。バーチャル組織として週に2時間の会議からスタートし、予算化や評価の仕組みも整えていった。そして技術組織の成果として、書籍用予算を確保し書棚に並べ、誰もが勉強できるような環境づくりができたという。また、前述した評価制度や組織への貢献についての議論、またCoE組織の育成で、全社的な雰囲気が変わった。

 高安氏は、「本当の意味でエンジニアの組織を作るのは難しい」と改めて振り返り、「技術者の成長は難しいけれど、促すことができる。成長のきっかけや枠組みを、どのように組織に落とし込むかを考えてきた。実践こそが最も成長する場であり、提案時からどうすればそのような場を提供できるかを考える」と語った。なお、技術メンバーはたびたびスランプに陥ったが、その時に頑張れたエンジニアは次のステージへと進むことができ、その成長は目に見えてわかるほどだったという。

 「技術の立ち位置や方向性を決めて、どう成長させるか。会社が求めているものに、どうアライメントするか。すべてのエンジニアのやりたいことに対応するのは難しいが、経営陣が技術者をリスペクトし、成長や待遇のバランスを考え、組織にとっての『貢献』を定義することが大切。技術の大切さが分かり、ToBeを高いレベルで示せる技術者こそ、市場でも評価されるだろう」と締めくくった。

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この記事の著者

伊藤 真美(イトウ マミ)

エディター&ライター。児童書、雑誌や書籍、企業出版物、PRやプロモーションツールの制作などを経て独立。ライティング、コンテンツディレクションの他、広報PR・マーケティングのプランニングも行なう。

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丸毛 透(マルモ トオル)

インタビュー(人物)、ポートレート、商品撮影、料理写真をWeb雑誌中心に活動。

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