米Amazon Web Servicesは、仮想サーバーサービス「Amazon Elastic Compute Cloud(EC2)」で、新インスタンス「X8g」の提供を9月18日(現地時間)に開始した。米国東部(バージニア北部)、米国西部(オレゴン)、欧州(フランクフルト)の3リージョンで利用できる。
X8gインスタンスは、Amazon Web Services傘下のイスラエルAnnapurna Labsが設計した64ビットArmプロセッサ「Gravitonシリーズ」の最新版となる「Graviton4」を搭載している。Amazon Web ServicesはGraviton4を搭載したインスタンスとして2024年7月に「R8g」インスタンスの提供を始めているが、X8gはそれに続くものとなる。
X8gの最大の特長は大容量のメモリを使える点にある。R8gインスタンスは最大で1.5Tバイトほどのメモリを使えるが(最小で8Gバイトほど)、X8gはその倍に当たる3Tバイトほどのメモリを使える(最小で16Gバイトほど)。プロセッサコアの個数は1〜192となる。
Amazon Web ServicesはX8gインスタンスの用途として、独SAPのインメモリデータベース「SAP HANA」や、半導体設計などの大規模なEDA(Electronic Design Automation)を挙げている。どちらも非常に大規模なデータをメモリに展開して、高速に処理することが求められる用途だ。これまで、3Tバイトもの大容量メモリを扱えるインスタンスは、x64プロセッサを搭載したものしかなかったが、x8gの登場により、Armプロセッサで大容量メモリが必要なアプリケーションを動かせるようになった。
また、9月25日(現地時間)には、Graviton4搭載インスタンスとして新たに「C8g」と「M8g」の提供も始めた。どちらも比較的安価に利用できるインスタンスで、C8gは最大で384Gバイトのメモリを使用でき、M8gは最大で768Gバイトのメモリを使える。どちらも、米国東部(オハイオ)、米国東部(バージニア北部)、米国西部(オレゴン)、欧州(フランクフルト)の4リージョンで提供している。
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CodeZine編集部(コードジンヘンシュウブ)
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