「おもしろそう」を起点とした学びが成長を加速させる
日々の業務に追われがちなエンジニアに向けて、おだか氏は「振り返り」の重要性を強調する。Backlogに溢れるタスクやユーザーからの要望に応えるだけでは、自分の仕事の価値や役割を見直す機会を持つのは難しい。意識的に立ち止まるタイミングを作り、自分のアウトプットがビジネスにどう影響を与えているのか、その先に「おもしろそう」な可能性が開けているかを検討する機会を作るべきだというのだ。
「キャリアの軸に『おもしろさ』を置くことは、仕事を続ける原動力に直結する」とおだか氏は力を込める。いくら重要なタスクをこなしても、それを「おもしろい」と感じられなければ長続きしないし、モチベーションも湧いてこない。だからこそ、日々の業務が「おもしろい」と思えるかどうか、自分に問い続けるべきだというのがおだか氏の主張だ。
おだか氏自身、これまでのキャリアで「本当に自分がやりたい仕事か」を常に自問してきた。やりたくない仕事を続ければ、時間や体力、精神を消耗するばかりだ。「そういう状況で努力しても、会社は喜ぶかもしれないが、自分自身をケアしてくれる人はいない。自分の気持ちを最優先に考え、続けるべきかどうかを冷静に判断する必要がある」。
「転職や辞職が周囲に迷惑をかけるのではないか」と不安に思う人もいるだろう。しかし、おだか氏は「それは会社の都合であって、あなた自身の都合ではない」と断言する。キャリアは自分で守るべきものであり、他者の期待や事情に縛られる必要はないということだ。
さらに、「こうした判断を無責任だと言われることもあるかもしれないが、責められたら素直に謝り、次へ進めばいい」と語り、まずは自分の気持ちや「おもしろさ」を優先する姿勢を貫くことが重要だと説いた。
「おもしろさ」を追い求める姿勢、すなわち「おもしろそうドリブン」こそが、彼がキャリア構築の核に据える考え方だ。キャリアは長期戦であり、「おもしろそう」と感じることを見つけるために、年齢や時間を気にする必要はない。現職に「おもしろそう」な要素があるなら追求し、見つからなければ転職を含めた他の選択肢を模索すべきだと語る。
「『おもしろそう』の最初の形は単純な『楽しい(Funny)』で構わない。それが次第に『興味深い(Interesting)』、そして『刺激的(Exciting)』へと発展し、キャリアを動かす原動力になる」とおだか氏は続ける。「興味の赴くままに情報を貪欲にインプットし続ければ、知識や経験が繋がり、視界が開ける瞬間が必ず訪れる」。

おだか氏自身、28歳でエンジニアの道を歩み始めて以降、興味を持った分野に雑食的に触れ続け、着実に成長を遂げてきた。「突然、誰かの一言で理解が深まったり、これまで学んできたことが繋がったりする瞬間は、努力を続けているからこそ訪れる」。その経験から、「おもしろそう」を起点とした学びこそが、エンジニアとしての成長や仕事そのものの楽しさを広げる鍵になると力説した。