Google DeepMindは5月20日(現地時間)、AIが生成したコンテンツに埋め込まれた電子透かし「SynthID」の有無を検出できるポータル「SynthID Detector」を発表した。生成AI技術の発展に伴い、テキストや高品質な音声・画像・動画が多様に作成される一方、出所や真正性を問う声が高まっている。SynthID Detectorは、GoogleのAIツールで生成された画像や音声、動画、テキストに対し、SynthID透かしの有無を短時間で判定できることが特徴。

利用者が画像・音声・動画・テキストをアップロードすると、SynthID Detectorが該当データを解析し、SynthID透かしが検出されれば、その部分を特定して表示する。たとえば、音声の場合は透かしが埋め込まれている特定のセグメントを、画像の場合は透かしが存在すると推定される領域をハイライトする仕様となっている。これにより、AI生成コンテンツの透明性や検証作業が容易になる。
SynthIDは当初、AI生成画像向けとして開発されたが、現在はGeminiやImagen、Lyria、VeoなどGoogleの各種モデルが生成するテキスト、音声、動画にも対応範囲を拡大している。既に100億件超のコンテンツにSynthIDが適用されているという。SynthIDはコンテンツ品質を損なわない不可視な透かしを埋め込み、共有や編集を経ても検出可能な堅牢さを持つ。
また、Googleは水準の高いコンテンツ検証技術の普及を推進しており、開発者向けにSynthIDのテキスト透かし技術をオープンソース化したほか、NVIDIAの生成動画にもSynthIDを適用するなどパートナー企業との連携を進めている。外部の検証プラットフォームGetReal Securityとも協業し、より多くの事業者がSynthID検出機能を活用できる環境整備を進めている。
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CodeZine編集部(コードジンヘンシュウブ)
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